「海外のお客さまにも販売できるなんて難しそう」と感じる方は少なくありません。しかし越境EC(国境を越えた電子商取引)は、国内のネットショップをすでに運営しているなら、対応するサービスや設定を活用することで始めることができます。
この記事では、越境ECを始める前に確認すべきポイント・具体的な手順・プラットフォームの種類・費用の目安を実践的に解説します。
越境ECとは、インターネットを通じて国境を越えて商品を販売するECの形態です。日本製品はその品質・安全性・デザイン性が海外で高く評価されており、食品・コスメ・伝統工芸品・ポップカルチャー関連商品などは、国内に留まらず海外からの需要が高まっています。
経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によると、令和4年(2022年)における中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆2,569億円(前年比5.6%増)、米国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆7,499億円(前年比6.7%増)と、いずれも前年から増加しています。特定のジャンルでは国内市場よりも海外での需要が大きいケースもあり、越境ECへの参入を検討する事業者が増えつつあります。
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越境ECは国内販売と比較すると確認すべき事項が増えます。以下の5点を事前に整理することで、スタート後のトラブルを防げます。
国際郵便や航空貨物には輸送禁止品目があります。また、販売先の国・地域によって輸入規制の内容が異なるため、食品・酒類・化粧品・医薬品・植物・動物製品などを扱う場合は特に注意が必要です。
農林水産省・税関・相手国の規制情報を確認してから販売計画を立てましょう。
最初から全世界を対象にするのではなく、まず1〜2か国に絞ることが現実的な方法です。英語が使える英語圏(米国・英国・オーストラリアなど)から始めると、商品説明の翻訳やカスタマーサポート対応が比較的シンプルになります。
アジア圏(中国・台湾・韓国など)への展開はニーズが高い反面、現地語対応が求められることが多いため、事前準備の段階でリソースを見積もっておきましょう。
海外のお客さまが利用できる決済手段を整えることが不可欠です。国際的に普及しているクレジットカード(VISA・Mastercard)への対応は最低限必要になります。PayPalはグローバルで広く使われており、中国向けにはAlipayなどのローカル決済手段の対応が有利に働くケースもあります。
国際配送には日本郵便の国際サービス(EMS・国際小形包装物など)や、DHLなどの国際宅配便が使われます。配送費用は国内と比較して高くなるため、送料の設定(購入者実費請求・一定料金・無料のいずれか)・配送日数・追跡サービスの有無を事前に整理しておくと、対応がスムーズになるでしょう。
日本国内で使用している商品名やロゴが、販売先の国・地域ですでに他社に商標登録されている場合があります。特に中国・米国などは商標の先願主義が徹底されているため、本格展開の前に現地の商標データベースで確認しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。
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実際の越境EC導入は、以下のステップで進めます。
どの商品を、どの国・地域のどんなお客さまに届けるかを明確にします。EtsyやeBayなどの国際ECモールで類似商品がどのように売られているかを確認することも、競合リサーチの有効な手段のひとつといえます。
越境ECの進め方は大きく3つのパターンがあります(詳細は次のセクションで解説します)。自社ネットショップに国際発送設定を追加するか、専用サービスを活用するかによって準備内容が変わってきます。
英語や現地語で商品説明を用意します。翻訳ツールを活用する場合でも、商品の特徴・素材・サイズ・使用上の注意などは正確に伝わるよう確認しておきましょう。
重量・寸法などの商品情報は国際発送の送料計算にも必要なため、事前に整理しておくことをおすすめします。
国際発送用の送料設定・決済手段の確認・返品・返金ポリシーの整備を済ませてから販売を開始します。関税については輸入国の税関制度によって購入者負担になるケースが多いため、商品ページや購入前の案内に明記しておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
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越境ECを始める方式は主に3つあります。自分のビジネス規模・準備できるリソース・目標に合わせて選択しましょう。
| 方式 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 国際ECモール(Etsy・eBayなど) | 海外バイヤーがすでに集まっている | 手数料が高め・独自ブランド構築が難しい |
| 越境EC連携サービス | 既存ショップを活かして追加できる | サービス選定と連携設定が必要 |
| 自社ネットショップ+国際発送設定 | 手数料を抑えられる・ブランドを強化できる | 海外集客を自前でおこなう必要がある |
Etsy・eBay・Amazon.comなどの国際ECモールに出品する方式です。すでに海外バイヤーが集まるプラットフォームに商品を掲載できるため、集客を自前でおこなう必要がない点が利点といえるでしょう。
一方で販売手数料が比較的高め(Etsyは出品手数料$0.20/商品+取引手数料6.5%等)で、ブランドの世界観を表現しにくい面もあります。
※2026年8月時点の情報です。最新の手数料等は各社公式サイトでご確認ください。
自社のネットショップをそのまま残しつつ、越境ECに特化したサービスと連携して海外販売を追加する方式です。World Shopping BIZなどのサービスを活用すると、既存のネットショップの商品情報を活かしたまま、海外向けの決済・配送の仕組みを追加できます。
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自社のネットショップで海外配送の設定を有効にし、国際発送に対応する方式です。ブランドの世界観をそのまま維持でき、手数料を抑えられる反面、海外からの集客は自前でおこなう必要があります。
SNSやインフルエンサーとの連携、多言語SEOなどの施策と組み合わせて活用するのが一般的な進め方です。
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越境ECを始める際に発生する主なコストは、プラットフォーム費用・国際配送費用・決済手数料の3種類です。それぞれの内訳を事前に把握しておくと、価格設定や利益計画を立てやすくなります。
国際ECモールを利用する場合は、出品手数料・取引手数料に加え、Amazonのように月額費用が発生するケースもあります。自社ネットショップを使う場合は、国内での運営費用に国際発送用の送料設定や多言語対応にかかる費用が加わる点を見込んでおきましょう。
越境EC連携サービスを利用する場合は、サービスごとに月額費用や決済手数料の体系が異なるため、事前の比較検討が欠かせません。
国際配送には日本郵便の国際サービス(EMS・国際小形包装物など)や、DHLなどの国際宅配便が使われます。配送費用は国内と比較して高くなるため、送料の設定(購入者実費請求・一定料金・無料のいずれか)・配送日数・追跡サービスの有無を事前に整理しておくと、対応がスムーズになるでしょう。
※国際配送料金は為替や燃油サーチャージの影響を受けやすいため、最新の料金は日本郵便や各配送会社の公式サイトでご確認ください。
海外クレジットカードへの対応は、利用する決済サービスによって手数料率が異なります。国内向けの決済に比べて、国際決済手数料が上乗せされるケースが一般的です。為替変動リスクも加味しながら、サービス選定時に手数料率と入金サイクルの両方を確認しておくと安心です。
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STORES ネットショップ は、フリープランから開設できるネットショップサービスです。World Shopping BIZと連携することで、既存の STORES ネットショップ の商品情報を活かしたまま、海外のお客さまへの販売を追加できるのも特徴のひとつです。
国内販売と海外販売をひとつのショップで管理できるため、在庫管理や売上の把握もシンプルになります。これから越境ECを検討している方は、まずSTORES ネットショップ を活用して国内での販売基盤を整えてから、海外展開へのステップを踏むのがおすすめの進め方です。
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A. 可能です。翻訳ツールや越境EC連携サービスを活用すれば、最低限の商品説明・カスタマーサポート対応から始められます。まずは英語圏など対応のハードルが低い国・地域からスタートするのがおすすめです。
A. 必須ではありません。国内の在庫から国際配送する形で始める事業者が多く、需要が安定してきた段階で現地倉庫の活用を検討するケースが一般的です。
A. 輸入国の税関制度によって購入者負担になるケースが多く見られます。トラブルを防ぐため、商品ページや購入前の案内に負担者を明記しておくことが大切です。
越境ECを始めるには、「商品の確認→ターゲット国の絞り込み→プラットフォーム選定→設定・公開」の流れを踏みます。最初から規模を拡大しようとするよりも、1〜2か国・数商品に絞ってスモールスタートし、運用で得た知見をもとに範囲を広げていく方が現実的です。
自社ネットショップの活用・ECモールへの出品・越境EC連携サービスのどれが合うかは、準備できるリソースと目標規模によって異なります。まずは商品の適性と配送・決済の体制を確認することから始めましょう。

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