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更新日
2025-08-22

ドロップシッピングとは?仕組みや始め方、メリット・デメリットを解説

STORES マガジン編集部
ドロップシッピングとは?仕組みや始め方、メリット・デメリットを解説

ネットショップ(ECサイト)を始めたいけれど、「仕入れにかかる資金がない」「在庫を保管する場所が確保できない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そんなときに役立つのが、在庫を持たずに商品を販売できる「ドロップシッピング」という仕組みです。実店舗や通常のネットショップと組み合わせて活用すれば、売上アップも期待できます。

この記事では、ドロップシッピングの基本的な仕組みから始め方、メリット・デメリットまでわかりやすく解説します。

ドロップシッピングとは?

ドロップシッピングとは、商品の仕入れをしたり在庫を抱えたりしなくても、ネットショップを開けるシステムのことです。

ドロップシッピングでは仲介業者と契約するDSP(ドロップシッピング・サービス・プロバイダー)、または仲介業者であるドロップシッピングASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)と契約すれば、そのサイトにある商品を、自分のネットショップで販売できます。

通常のネットショップでは、商品を仕入れて在庫保管し、商品が売れたら在庫からピックアップして発送します。発送する前には納品書や請求書などを発行し、梱包作業をおこなう必要があります。

しかし、ドロップシッピングの場合は、商品が売れたらDSP(ドロップシッピング・サービス・プロバイダー)やドロップシッピングASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)がメーカーや卸業者に連絡をとり、ショップ名で購入者へ直接発送してくれます。

そのため、商品の仕入れや在庫の保管、発送手続きなどを自分でする必要がなくなります。

このように、ドロップシッピングは商品を仕入れるための資金や、発送手続きの手間などがいらないので、通常のネットショップよりもショップオーナーさまの負担が少なく、開業しやすいのが特徴です。

ドロップシッピング ネット販売
仕入れ DSPまたはドロップシッピングASPにある商品から選ぶ ショップオーナーがメーカーまたは卸業者から直接仕入れる
在庫管理 不要 ショップがおこなう
商品梱包・発送 メーカーまたは卸業者がおこなう ショップがおこなう
集客・宣伝 ショップがおこなう ショップがおこなう

ドロップシッピングの仕組みとは

ドロップシッピングは、商品を在庫として保有せずに販売できるネットショップモデルです。ネットショップに掲載された商品に注文が入ると、その注文情報が提携しているサプライヤーへ送られます。

サプライヤーはその情報をもとに商品を梱包・発送し、顧客に直接届けます。運営者は商品の仕入れや在庫管理、発送業務をおこなわずに済むため、低リスクかつ効率的にネット販売を実施可能です。

ドロップシッピングには3つの種類がある

ドロップシッピングには、主に「DSP型」「直接契約型」「オリジナルグッズ販売型」の3種類があります。

DSP型(ドロップシッピング・サービス・プロバイダー型)

専門のサービスプロバイダー(DSP)を通じて商品を販売する方法です。たとえば、NETSEA(ネッシー)、TopSeller(トップセラー)、卸の達人、アリババなどが代表的なDSPです。商品選定や仕入れ、発送の仕組みが整っており、初心者も比較的手軽に始められます。

直接契約型

メーカーや卸売業者と自ら交渉して契約を結び、ドロップシッピングをおこなう方法です。扱いたい商品を自分で選び、仕入先との取引条件を調整する必要もありますが、その分自由度が高く、独自性のあるショップ展開ができます。

オリジナルグッズ販売型

自身で作成したロゴやイラストを使ったオリジナル商品を販売するスタイルです。プリントオンデマンド(POD)サービスを活用し、注文が入ったタイミングで商品を製造・発送をします。在庫を抱えるリスクがなく、個人クリエイターにも人気の高い方法です。

ドロップシッピングのメリット3つ

ドロップシッピングは、ネットショップビジネスのハードルをぐっと下げてくれるあたらしい販売スタイルとして注目を集めています。

ここでは、ドロップシッピングを導入することで得られる3つの代表的なメリットについて詳しく解説します。

在庫がない状態で商品販売できる

ドロップシッピングの魅力は、在庫を持たずに商品を販売できる点です。通常のネットショップでは、商品を仕入れて在庫を確保しなければ販売ができませんが、ドロップシッピングは注文が入ってからサプライヤーへ発注するため、売れ残りや在庫過多のリスクを抱える必要がありません。

そのため、在庫管理や倉庫の手配といった物理的な準備を省略でき、時間やコストを効率よく使うことが可能になります。多品種少量のテスト販売にも向いており、新規ビジネスの初期段階にも適しているといえるでしょう。

梱包などの発送作業がいらない

ドロップシッピングでは、受注後の商品梱包や配送業務をすべてサプライヤーが担います。販売者は注文データを伝えるだけでよく、配送ミスの心配や発送スケジュールの管理に頭を悩ませる必要がありません。

そのため、販売者はマーケティングや商品選定といった売上に直結する業務に集中することができます。複数商品を取り扱っても、発送作業が増えないのは大きなメリットです。

低コストで始めやすい

従来のネットショップでは、商品仕入れに資金が必要となるケースが一般的でした。しかし、ドロップシッピングでは、在庫を持たないため仕入れ費用がかからず、オンライン上に販売ページを作るだけでビジネスを始めることができます。

そのため、事業経験のない方や副業で収益化を目指す方でも、低リスクで挑戦することが可能です。扱う商品を変えることもかんたんなため、柔軟な運営がしやすい点もメリットといえるでしょう。

ドロップシッピングのデメリット3つ

ドロップシッピングは初期費用を抑えて手軽に始められる点が魅力ですが、ビジネスとして継続・拡大していくには、いくつかの注意点があります。ここでは、ドロップシッピングに取り組む前に理解しておきたい3つの代表的なデメリットを紹介します。

競合が多い

ドロップシッピングのデメリットのひとつは、競合が多いことです。近年、ドロップシッピングは在庫を持たずに低コストで始められるビジネスモデルとして注目され、個人や企業の参入が急増しています。

実際、世界のドロップシッピング市場は2024年時点で約3,374億米ドルと推定され、2029年にはおよそ8,987億米ドルまで拡大すると見込まれています。スマートフォンとECプラットフォームの普及、オンラインショッピング需要の高まりなどが背景にあります。

市場の成長とともに商品の差別化が難しくなり、価格競争が激化する傾向が強まっています。特に、AliExpressやShopifyなどを利用しているショップは世界中に存在し、同じ商品を扱っているケースも多く、ユーザーに選ばれるには商品やサービス以外での工夫が欠かせません。

商品の品質管理が難しい

ドロップシッピングは、商品を直接仕入れて保管するのではなく、注文を受けてからサプライヤーが顧客へ直接発送する仕組みです。そのため、販売者自身が商品の状態を確認できないまま出荷されることになり、品質にばらつきが出るリスクがあります。

もし不良品やイメージと異なる商品が届いた場合、責任は販売者にあると見なされ、信頼の低下につながりかねません。したがって、信頼できるサプライヤー選びが重要です。

商品知識が必要になる

ドロップシッピングでは、実物を見たことのない商品を取り扱うことも少なくありません。そのため、商品に関する詳しい知識を持っていないと、顧客からの問い合わせ対応や、ページ作成時の説明に支障をきたします。

購入前に安心してもらうためにも、商品のスペックや使用方法、注意点などを正確に把握し、場合によってはメーカーへ確認を取るなどの工夫が必要です。

ドロップシッピングの注意点

低コスト・低リスクで始められるドロップシッピングですが、ビジネスとしてネットショップを運営するには注意点もあります。

集客方法を工夫しないと利益率が低くなる

集客方法のひとつとしてリスティング広告がありますが、手軽に集客できるものの、広告費が高騰の影響も受けやすいものです。

集客をリスティング広告ばかりに頼っていると、売上が伸びても利益率が低くなりやすいという問題があるので、ネットショップを運営するうえで、広告費は予算に組み込んでおくことが重要です。

また、無料で利用できるSNSや動画、コンテンツマーケティングを活用するなど、集客方法を工夫して、一定の利益率を維持できるようにしましょう。

商品の入れ替わりが激しい

DSPに用意されている商品は、メーカーや卸売業者が取り扱っている商品です。人気が落ちてきた商品は取り扱わなくなったり、廃盤になったりすることもあり、その際はショップの商品を入れ替えなければいけません。

また、ショップに掲載している商品の人気が落ちたり、売り切れになったりしたときも、違う商品に差し替える必要があります。

ドロップシッピングは商品の入れ替わりが激しいので、ショップに掲載する商品を変更する作業が頻繁に発生することも、注意点のひとつです。

在庫切れのリスクが常にある

DSPには、多数の商品が用意されています。

しかし、ドロップシッピングはほかの競合と在庫を共有しているようなものなので、人気の高い商品ほど多くのショップに掲載されて、在庫切れのリスクが大きくなります。

特に、大手のDSPは利用者も多いため、常に在庫切れのリスクがあります。注文が入っても発送できない、あるいは納期に間に合わないという事故が起きる可能性もあるため、在庫状況を確認しながら商品を入れ替えるなどの工夫も必要です。

ドロップシッピングの始め方

DSPを利用してドロップシッピングを始める際は、DSPへの登録から商品の発送まで、5つのステップがあります。

  • DSP登録
  • ネットショップ開設
  • 商品を選ぶ
  • 集客
  • 商品発送

各ステップの作業について、以下で詳しく紹介します。

STEP1. DSP(ドロップシッピングサービスプロバイダー)に登録する

DSPとは、ネットショップで販売する商品を探しているオーナーと、商品を販売してくれる人を探しているメーカーや卸業者の仲介サービスを提供してくれる存在です。ますは、自分のネットショップに合うセレクトをしているDSPを見つけ、登録をしましょう。

STEP2. ネットショップを開設する

ネットショップの出店方法には大きく分けて、マーケットプレイス型(モール型)とASPカート型があります。

■マーケットプレイス型(モール型)のメリット・デメリット

マーケットプレイス型(モール型)はデパートの一角にテナントを構えるようなもので、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
・知名度の高いモールに出店すれば集客しやすい
・デザインなどに工数が掛からず、カート型よりかんたんに開業できる
・手数料や運用コストが高いことが多い
・規約の関係で、お店の自由度が制限されやすい

■ASPカート型のメリット・デメリット

ASPカート型は路面店を構えるようなイメージで、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
・オリジナル性やデザイン性の高いショップが作れる
・とても低額、あるいは無料で利用できるサービスが多い
・Amazon・楽天市場などのモールの知名度がなく集客の工夫が必須

ASPカート型のサービスについては、『おすすめのネットショップ作成サービスとは?サービス比較まとめ』でも詳しく解説しています。おすすめのサービスをピックアップして比較しているので、サービス選びの参考にしてみてください。

STEP3. DSPから好きな商品を選んでショップに掲載する

ショップを開設したら、販売する商品をDSPから選び、ショップに掲載しましょう。

商品によって売れやすい時期があるため、DSPの販促サポートなどを利用して、旬の商品・売れる商品を見つけることも大切です。新商品や季節のイベントに関連した商品は、比較的売れやすいといわれています。

STEP4. ショップへの集客をおこなう

ショップに商品を掲載しただけでは、お客さまは集まりません。自分のショップを宣伝して、集客しましょう。

宣伝方法として効果が高いといわれているのが、XやInstagramなどのSNSです。無料で利用できますし、テキストだけでなく写真も投稿できるので、掲載している商品やショップの宣伝にもオススメです。

SNS以外の宣伝方法としては、ブログやリスティング広告、口コミなどもありますが、無料でできるものと有料のものがあります。コストを抑えてスタートしたい方は、無料のSNSやブログを利用した宣伝から始めてみましょう。

ちなみに、ブログを利用する際は、「プレゼント コスメ」「プレゼント 男性 おしゃれ」など、ネット上で検索されているキーワードを組み合わせて、自分のショップや掲載している商品を表すメインキーワードを設定してサイト作りをすると、ショップの集客につながります。

STEP5. 商品が売れたらメーカー(卸売業者)が商品発送を代行

自分のショップから商品が売れたら、DSPへ商品を注文します。DSPを通して注文を受けたメーカーや卸売業者は、ショップ名で購入者へ商品を送ります。

DSPによっては、納品書や請求書の用意と発送を、ショップオーナーがおこなうように決められていることもあるため、その際は商品とは別に納品書と請求書を郵送します。

ドロップシッピングにおすすめサイト

ドロップシッピングでは、次のサイトがおすすめです。

TopSeller(トップセラー)
  • 約25万点の豊富な商品を取り扱い可能
  • 段階的に選べる料金プランで始めやすい
  • 主要ネットショップ構築サービスに対応

TopSellerは、家具・家電から日用品、文具、カー用品まで約25万点という幅広いジャンルの商品を取り扱っており、多様なニーズに対応できるネットショップ運営が可能です。

料金プランは、掲載商品数に応じて選べるセレクトコース(無料〜月額4,980円)や全商品コース(月額1,980円〜27,800円)など、小規模から本格展開まで柔軟に対応できます。

また、楽天市場、Yahoo!ショッピング、MakeShop、カラーミーショップなど、主要なネットショップ作成サービスに対応しているため、導入・運用もスムーズです。

SHOZAIOH(商材王)
  • 家具・インテリアに特化した専門DSP
  • 初期費用・月額料金が一切不要
  • 高品質な販促素材が無償で利用可能

商材王は、家具やインテリア商品を専門に取り扱うドロップシッピング・サービス・プロバイダーです。自社開発のオリジナル商材を中心に展開しており、他社との差別化がしやすい点が魅力です。

会員登録料・年会費・月額費用などは一切かからず、プロが撮影・制作した商品画像や商品ページが無料で提供されているため、すぐに質の高いショップ運営をスタートできます。

対応モールも幅広く、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonに加え、Wowma・dショッピング・BASE・カラーミーショップなど多様なプラットフォームに対応しています。

通販ラボ
  • 家具・インテリア専門の老舗DSP
  • 無料で利用可能
  • オリジナル商品開発&手厚い販促支援

「通販ラボ」は、家具卸として30年以上の実績を誇る、インテリア・家具に特化したドロップシッピング・サービス・プロバイダーです。

自社開発の家具を多く取り扱っているだけでなく、ショップ独自の商品開発が可能なため、他店舗との差別化にもつながります。

利用料は無料で、商品ページなどの販促素材やセミナー開催など、サポートも充実しています。ただし、発注時の決済方法は決済システムPaidのみであり、会員登録の完了にはPaid側の審査を経る必要があります。

ドロップシッピングについてよくある質問

ドロップシッピングは違法?

ドロップシッピング自体は、適切な手続きを踏んでいれば違法ではありません。実際、多くの事業者が正規の方法で導入し、ネットショップの運営に活用しています。

ただし、取り扱う商品の内容や表現方法によっては法律に抵触する恐れもあるため注意が必要です。たとえば、医薬品や著作権を侵害する商品など、法的に販売が制限されているものを扱うと違法となる可能性があります。

ドロップシッピングのメリットは?

ドロップシッピングには、在庫を抱えずにネットショップを始められるという大きなメリットがあります。商品が売れた後にサプライヤーへ発注する仕組みのため、仕入れコストや在庫リスクを抑えることができます。

また、商品の梱包や発送もサプライヤー側が対応してくれるため、運営者は販売やプロモーションに集中できる点も魅力です。

まとめ

通常のネットショップと比べて、低コスト・低リスクで始められることが魅力のドロップシッピングにも、メリットだけではなくデメリットもあります。

しかし、サポートの充実したDSPと契約したり、初期費用の少ないショップ作成サービスを利用したりすることで、初めての方でも安心して、ドロップシッピングを活用したネットショップを始められます。

小さな規模からスタートして、大きく成長させることも可能なドロップシッピングは、実店舗や通常のネットショップを運営している方の売上アップにも活用できるので、ぜひ検討してみてください。

なお、ネットショップの仕入れについては、【ネットショップの開業】ネットショップ(ECサイト)の商品仕入れ方法、おすすめサービスを徹底解説の記事も参考になります。こちらもぜひ、チェックしてみてくださいね。

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