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個人事業主の法人化タイミングと手続きガイド|判断基準・費用・手続きの流れを解説

STORES マガジン編集部
個人事業主の法人化タイミングと手続きガイド|判断基準・費用・手続きの流れを解説

ネットショップ・フリーランス・副業から本業化した個人事業主にとって、「いつ法人化すべきか」は重要な分岐点です。税負担・消費税・取引先からの信用など、法人化の判断には複数の視点があります。

この記事では、法人化を検討するタイミングの目安・株式会社と合同会社の違い・手続きの流れ・費用の目安を具体的に解説します。税務・法務にかかわる判断のため、内容を踏まえたうえで専門家への相談もあわせてご検討ください。

法人化を検討するタイミングの目安

個人事業主が法人化を検討するきっかけは、「税負担」「消費税」「取引・信用面」の3点に集約されます。いずれかの条件が該当してきた段階が、本格的に法人化を検討するサインです。

年間利益が700万〜800万円を超えてきたら

個人事業主の所得税は累進課税で、課税所得が増えるほど税率が上がります。課税所得695万円超900万円以下は税率23%、900万円超1,800万円以下は33%が適用されます(2026年7月時点。住民税10%は別途加算)。

一方、法人税は中小法人であれば所得800万円以下の部分に軽減税率が適用されます。法人化することで代表者への役員報酬に給与所得控除が適用されるため、節税につながるケースがあります。

年間利益が700万〜800万円を超えてきた段階で、個人のまま納める税額と法人化後の税額を比較することを検討しましょう。税負担の計算は個人の状況によって大きく異なるため、税理士などの専門家への相談を強くおすすめします。

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課税売上高が1,000万円に近づいてきたら

個人事業主の場合、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の課税事業者になります。2023年に導入されたインボイス制度への対応とあわせて、消費税の扱いは事業規模が拡大した際に必ず直面するテーマです。

新たに設立した法人は、資本金1,000万円未満であれば設立から2年間は原則として消費税の免税事業者になれます(特定期間の売上・給与が要件以下の場合)。ただし、インボイス制度の登録状況や取引先との関係によって実際の効果は異なるため、状況に応じた判断が必要です。 ※一定の要件に該当する場合は免税にならないケースがあります。詳細は税理士にご確認ください。

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取引・信用面で法人格が必要になってきたら

企業との継続取引や卸売契約を拡大するにあたり、「法人限定」の条件が求められる場面があります。金融機関からの融資・補助金申請・大手企業との取引では、法人格があることで選択肢が広がることも少なくありません。

外部からの資本調達や採用強化、将来的な上場(IPO)を視野に入れる場合も、法人化は早めに検討するテーマになります。

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法人化のメリットとデメリット

法人化の判断前に、メリットとデメリットを整理しておきましょう。

法人化のメリット

  • 節税の選択肢が増える:役員報酬・退職金・経費計上の範囲が個人事業主より広がる
  • 社会的信用が上がる:法人格があることで取引先・金融機関からの信頼が得やすくなる
  • 有限責任になる:原則として出資額を超える責任を負わない(株式会社・合同会社)
  • 消費税の免税期間を得られる可能性がある:設立後2年間(要件あり)

法人化のデメリット

  • 設立・維持コストがかかる:設立費用のほか、法人住民税の均等割(年間7万円程度〜)が発生する
  • 社会保険への加入が義務になる:代表者本人を含め強制加入。国民年金・国民健康保険より保険料が高くなるケースがある
  • 帳簿・税務が複雑になる:法人税申告・経理処理が個人事業主より煩雑になる
  • 赤字でも固定費が発生する:利益がなくても均等割の納付が必要

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株式会社と合同会社(LLC)の違いを比較する

法人化で選ぶ形態として代表的なのが「株式会社」と「合同会社(LLC)」の2種類です。

株式会社合同会社(LLC)
設立費用の目安約20〜25万円約6〜10万円
外部への認知度高い株式会社より低い傾向
機関設計取締役・株主総会が必要比較的かんたんな構造

※2026年7月時点の目安。費用は状況によって異なります。詳細は法務局または司法書士・行政書士にご確認ください。

株式会社は信用力・認知度が高く、上場(IPO)を将来的に検討する場合は株式会社が前提になります。定款の公証認証が必要なため設立コストが合同会社より高く、株主総会などの機関設計が求められます。

合同会社は設立費用が低く、定款の自由度が高い点が特徴です。外部投資家からの出資を必要としない少人数・フリーランス型の事業に向いています。ネットショップや個人事業主の法人化では、コスト面から合同会社を選ぶケースも増えています。

法人化の手続きの流れ

①会社の基本情報を決める

設立にあたり、以下を決定します。

  • 商号(会社名)
  • 事業目的
  • 本店所在地
  • 資本金の額
  • 役員構成(代表者など)

商号は同一住所に同一商号がないかを事前に確認します。法務局の商業登記情報サービスで調べられます。

②定款の作成・認証

株式会社の場合、定款を作成し公証役場で認証を受ける必要があります。電子定款を利用することで印紙税(4万円)が不要になります。合同会社は公証人による認証が不要です。

③資本金の払い込み

発起人の個人口座に資本金を払い込みます。資本金は1円から設定可能ですが、取引先からの信用や補助金申請を考慮して、一定額を設定しておくのが一般的でしょう。

④設立登記の申請

法務局へ設立登記を申請します。申請から登記完了まで通常1〜2週間かかります。

⑤法人設立後の各種届出

登記完了後、以下の届出をおこないます。

  • 税務署:法人設立届出書・青色申告承認申請書・給与支払事務所等の開設届など
  • 都道府県・市区町村:法人設立届出書
  • 年金事務所:健康保険・厚生年金保険の新規適用届

法人は役員を含めて社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務です。個人事業主時代の国民健康保険・国民年金から切り替えをおこないます。

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法人化にかかる費用の目安

費用項目株式会社合同会社
定款認証手数料資本金額により3〜5万円(電子定款の場合は印紙税4万円が不要)不要
登録免許税15万円(最低額)6万円(最低額)
その他実費(謄本など)数万円程度数万円程度

※2026年7月時点の目安。費用は状況によって異なるため、司法書士・行政書士への相談をおすすめします。

設立後のランニングコストとして、法人住民税の均等割(最低でも年間約7万円程度)・社会保険料・税理士報酬などが発生します。法人化による固定費の増加を事前に把握したうえで判断することが重要です。

STORES ネットショップ を活用してEC事業を成長させる

法人化後も、STORES ネットショップ でEC事業を継続・拡大できます。個人から法人への名義変更もかんたんな手続きでおこなえるため、法人化後もEC事業の継続がしやすい構成になっています。

フリープランスタンダードプラン
月額費用無料3,300円(税込)〜
販売手数料5.5%〜3.6%〜

※2026年7月時点。スタンダードプランは年契約/月払い3,300円(税込)、月契約/月払い3,960円(税込)。最新料金は公式サイトでご確認ください。

販売手数料の差(5.5% → 3.6%)は売上規模が大きくなるほど影響が増します。法人化とあわせてプランの最適化を検討することで、EC事業の収益改善につながるでしょう。

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まとめ

個人事業主の法人化は、税負担・消費税・信用・社会保険など複数の観点から総合的に判断するテーマです。

  • 年間利益700万〜800万円超:税率の比較を税理士に相談する
  • 課税売上高が1,000万円に近づいてきたら:消費税・インボイス制度への対応を確認する
  • 取引先・融資・採用で法人格が必要になってきたら:法人化のタイミングを具体的に検討する
  • 法人の種類は事業計画に合わせて選ぶ:設立コスト・将来の資金調達計画・運営のしやすさを踏まえる

税務・法務にかかわる重要な判断のため、税理士・司法書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

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