「値付けを体系的に整理したことがない」「なんとなく相場に合わせてきたが、根拠のある価格設定に切り替えたい」
そんな方に向けて、本記事では原価計算・目標利益率の設定・競合調査・3つの値付け戦略・値上げの伝え方を実務ステップで解説します。ハンドメイド販売から ネットショップまで幅広く応用できるフレームワークとして、自分のショップの価格設定を見直すきっかけにしてください。
正確な値付けの出発点は、「原価」を正しく把握することです。材料費しか計算に入れていないために利益が圧迫されるケースは珍しくありません。原価は大きく3種類に分類できます。
| コストの種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 材料費 | 商品を作るための素材・部品 | 生地、アクセサリーパーツ、包材 |
| 直接労務費 | 製作時間 × 時給 | 2時間 × 1,500円 = 3,000円 |
| 間接費(経費) | 製作に付随するコスト | 送料、プラットフォーム手数料、光熱費按分 |
特に見落とされやすいのが間接費です。ネットショップでは、販売額の数%がかかるプラットフォーム手数料、配送料、梱包材などが積み重なります。「材料費の2倍で設定していたのに赤字だった」というケースの多くは、間接費の計上漏れが原因です。
まずは1点あたりのすべてのコストを書き出し、合計を「総原価」として把握するところから始めましょう。
関連記事:
総原価が把握できたら、次は目標粗利率を設定します。粗利率の計算式は以下の通りです。
粗利率(%)=(売上 - 原価)÷ 売上 × 100
例えば、総原価800円の商品を2,000円で売った場合:(2,000 - 800)÷ 2,000 × 100 = 60%
業種・カテゴリ別の粗利率の目安は次のとおりです。
| 業種・カテゴリ | 粗利率の目安 |
|---|---|
| ハンドメイド・クラフト | 60〜70% |
| アパレル・雑貨 | 50〜65% |
| 食品・スイーツ | 30〜50% |
| デジタルコンテンツ | 70〜90% |
※業種や事業規模・コスト構造により大きく異なります。上記はあくまで参考値としてご活用ください。
粗利率が高いほど経営の余裕が生まれますが、そのぶん価格も高くなるため市場との兼ね合いが必要です。自分のカテゴリの相場を調べた上で、持続可能な利益率を設定することが重要といえます。
関連記事:
原価と目標利益率が定まったら、市場でどのような価格帯が形成されているかを調査します。競合調査は「自分の価格が高すぎるか、安すぎるか」を判断する基準づくりです。
調査のゴールは「競合と同じ価格にする」ことではなく、自分の商品がどの価格帯でどんな価値を訴求するかを決めることです。同じカテゴリでも、素材の品質・デザイン性・ブランドストーリーによって高い価格帯での勝負が可能になります。
原価・利益率・市場価格の3つが揃ったら、どの値付け戦略を採用するかを決めます。代表的な3つのアプローチを紹介します。
原価に目標粗利率を上乗せして価格を算出する、最もシンプルな手法です。
計算例:原価1,300円、目標粗利率60%の場合 販売価格 = 1,300円 ÷(1 - 0.6)= 3,250円
計算が明確で赤字になるリスクが低く、初めて値付けをおこなう場合や、コストが把握しやすい商品に適した方法です。
競合調査で得た市場価格を基準に、価格を設定する手法です。競合より低く設定して集客を優先する、あるいは差別化要素を根拠に高く設定するといった選択ができます。新規参入時や競合の多いカテゴリで認知を広げたい場合に有効でしょう。
お客さまが「この価格なら払ってもいい」と感じる価値から逆算して価格を設定する手法です。原価や競合価格ではなく、自分の商品が提供する体験・希少性・技術力を価値として数字に置き換えます。
ハンドメイド作品や限定品、専門性の高いサービスに適しており、「安くしないと買ってもらえない」という思い込みを変えるきっかけにもなります。
関連記事:
値付けは一度決めたら終わりではありません。以下のような状況が続いているなら、価格の見直しを検討するタイミングです。
値上げはお客さまの離脱を招くリスクがある一方、正直な理由の告知と事前通知をおこなうことで、多くの場合は理解を得やすくなります。
値上げはブランドのステージアップと捉えることもできます。価格を正当化できるだけの価値提供を続けることが、長期的なファン獲得につながるでしょう。
関連記事:
値付け戦略を実践するには、商品登録・価格変更・売上データの確認がかんたんにできる販売プラットフォームが欠かせません。STORES ネットショップ は、月額0円のフリープランから始められ、価格設定の変更や割引クーポンの発行を管理画面からスムーズにおこなえます。
決済手数料はフリープランが5.5%〜、スタンダードプラン(月額3,300円)が3.6%〜。プランの違いを踏まえて販売価格に手数料分を上乗せするかどうかも、値付け戦略の一部です。まずは無料で開設してみて、実際に売れる価格帯を試しながら最適な値付けを見つけていきましょう。
※2026年6月時点の情報です。最新情報は STORES 公式サイトをご確認ください。
値付け戦略は「原価の把握 → 目標利益率の設定 → 競合調査 → 戦略の選択」という4ステップで体系的に整理できます。
根拠のある価格設定は、利益の安定だけでなくブランドのポジショニングにも直結します。本記事のステップを参考に、自分のショップの値付けを見直してみてください。
関連ページ:

STORES ネットショップ サービスカタログ
STORES ネットショップ について、基本機能やおすすめ機能、料金プランなどをご紹介しています。特別プランのご紹介もしているので、ぜひ参考にしてみてください。