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更新日
2025-09-09

アパレルショップを開業するには? 手順や必要な資金、仕入れ先、成功のポイントを解説

STORES マガジン編集部
アパレルショップを開業するには? 手順や必要な資金、仕入れ先、成功のポイントを解説

アパレル業界で働いている方やファッション好きな方のなかには、将来自分でアパレルショップを開業しようと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、しっかりとした計画がなければ、失敗に終わってしまう可能性もあります。

今回は、アパレルショップを開業するのに必要な資金や仕入れ先、成功のポイントを解説します。店舗とネット販売のそれぞれのメリットや、アパレルショップの運営を助けるツールなどについてもご紹介するので、アパレルショップ開業に興味のある方はぜひご一読ください。

アパレルブランドを開業する3つの方法

ここでは、アパレル開業方法のポイントを解説します。アパレルブランドを開業するには、大きくわけて「実店舗」「ネットショップ」「フリマアプリ・ポップアップストア出店」の3つの方法があります。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

実店舗

アパレルブランドを開業する場合、実店舗を構える方法があります。店舗を構える際には店舗の内装や在庫の仕入れなどが必要で、初期投資が大きくなりがちです。

一方で、お客さまと直接コミュニケーションをとれるため、アパレルブランドの世界観をリアルに伝え、ファンを増やしやすくなるメリットがあります。 また、試着やサイズ確認ができるという点で、顧客満足度を高められるでしょう。

実店舗でアパレルブランドを展開する場合、立地選びが非常に重要です。ブランドのターゲット層となる人通りの多いエリアを選ぶことで、集客力を高められます。

ネットショップ

ネットショップは、比較的低コストで始められるアパレル開業方法です。自社サイトやECモールを利用し、全国に向けて販売できます。実店舗に比べて経費がかからず、24時間いつでも商品を販売できる点が大きなメリットです。

一方で、集客や認知度アップのためにはSNSや広告運用、SEOなどのWebマーケティングが不可欠となります。ネットでのアパレルショップは、写真や商品説明の質が売上に大きく影響するため、こだわりをもって制作しましょう。

ネットショップについては、「ネットショップ開業の7ステップ!開業の基本的な流れと集客・販促のコツ」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

フリマアプリ・ポップアップストアへの出店

フリマアプリ、期間限定のポップアップストアへの出店は、アパレル開業の初期費用を抑えつつ、市場の反応をダイレクトに確かめたい方におすすめです。

フリマアプリは手軽にスタートでき、利用者が多いため、商品が売りやすくなる傾向があります。また、ポップアップストアは話題性があり、短期間で認知度のアップを狙えるでしょう。

どちらも在庫リスクは少ないことから、アパレルの開業資金が限られている場合や、まずは小さく商いをはじめたい方に適しています。

ポップアップストアについては、「ポップアップストアとは? 目的やメリットをわかりやすく解説!」や「POPUPストアを出店しよう!やり方のコツを解説します!」でもご紹介しています。

店舗かネットショップどちらを選択すべき?

アパレルはネットショップと相性がよく、店舗とくらべて、初期費用やランニングコストがかからないことがメリットです。費用を抑えて全国のお客さまに販売することができます。

一方で、店舗を構えることは信頼度や知名度の向上につながります。店舗とネットショップどちらかひとつにかぎらず、両方とも開業する方法もあります。たとえば、最初は店舗を開業して、軌道に乗ったらネットショップも展開する方法などです。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、どのような店を運営していきたいかによって、出店形態を選びましょう。

‍ネットショップの開設には、STORES ネットショップ がおすすめです。初期費用・月額費用0円で始められるプランがあります。まずは費用を抑えて初めてみたい方は、ぜひ STORES ネットショップ を初めてみてはいかがでしょうか?

アパレルブランドを開業する流れ

アパレルブランドの開業はコンセプト決定から始まり、ブランド名の商標登録、必要な届出、商品の仕入れ先確保、SNSやWebサイトの作成・情報発信という流れが一般的です。

コンセプトを決定

アパレルブランドの開業においてもっとも重要なのが、コンセプトです。ブランドの軸となるテーマや世界観、ターゲットとなる顧客層を明確にしましょう。

たとえば「20代女性向けのカジュアルファッション」「エシカル素材を使ったサステナブルブランド」など、アパレルブランドの個性を伝える内容が重要です。

また、市場調査をおこない、競合他社との差別化ポイントや顧客ニーズを把握することも大切です。しっかりとしたコンセプトは商品開発やプロモーション、ショップのデザインにまで影響を与え、中長期的なアパレルブランド成長の礎となります。

ブランド名を商標登録

アパレルブランド名は、他社との差別化や信頼性の確立に直結するため、コンセプトと同様に重要な要素です。せっかく考えたアパレルブランド名が、他社に使われてしまうのを防ぐためにも、早めに商標登録をおこないましょう。

日本では特許庁に申請し、審査を経て登録が認められます。商標登録には費用や一定の期間はかかりますが、アパレルブランドを守るための大切な手続きです。

まずは開業前に商標調査をおこない、すでに名前が使用されていないかを確認しておきましょう。商標権を取得することで、他者による不正利用やトラブルからアパレルブランドを守れます。

参考:特許庁「初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~」(2025年5月)

届出手続き

アパレルブランドの開業には、必要な法的手続きがあります。正しく手続きを進めることが非常に重要です。「個人事業の開業届」「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、実店舗をもつ場合は必要に応じて「飲食営業許可」や「古物商許可証」なども取得します。

ネットショップ運営の場合も、個人事業主として開業届を提出することで社会的信頼の向上や節税につながります。

開業届の提出は無料で、手続きは難しくありません。事業内容や規模によって必要な書類や手続きが異なる場合があるため、事前に自治体や専門家へ相談しておくと安心です。

参考:
国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2025年5月)
国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」(2025年5月)

商品の仕入れ

アパレルブランドのコンセプトにあった品ぞろえは、アパレル開業の成功に不可欠です。まずは国内外のアパレル卸業者やメーカー、問屋などから仕入れ先を選定しましょう。

オリジナルのアパレル商品の製作を目指す場合は、縫製工場との連携や素材の調達もあわせて検討する必要があります。ロット数、価格、納期などを比較し、ビジネスの規模にあわせた調達先の選定が大切です。

契約時には、商品サンプルの確認や返品条件、支払い方法などもチェックしておくとトラブル防止につながるでしょう。契約書の作成は、専門家の助けを借りることをおすすめします。

SNS・Webサイトの作成

アパレルブランドの認知拡大や集客、販売促進には、SNSやWebサイトの活用が不可欠です。ターゲット層が多く利用するSNSを選び、アパレルブランドの世界観や商品情報、最新ニュースなどを発信しましょう。

Webサイトは、アパレルブランドの公式情報発信の場として、ショップ機能や問い合わせフォーム、会社概要などのページを設定します。

デザインにこだわり、アパレルブランドのイメージを統一することで信頼を得やすくなるでしょう。サイトの更新を継続的におこなうことで、ファンの獲得やリピーターの育成につながります。

アパレルの開業形態のおもな種類

アパレルの開業形態にはセレクトショップとオリジナルブランド販売があります。それぞれ確認していきましょう。

セレクトショップ

セレクトショップとは、店のコンセプトに沿って、他社のブランド商品を仕入れて販売する形態をいいます。オリジナルブランド販売と違って、オリジナル商品を用意しなくてよいため、初めて開業する際におすすめです。

オリジナルブランド販売

オリジナルブランド販売は、店のオリジナル商品を作成して販売する形態です。オリジナル商品を作るというと難しいことのように聞こえるかもしれませんが、現在ではOEMやODMがあるため、そこまでハードルは高くありません。セレクトショップが軌道に乗ってきたら、オリジナルブランド販売を手がけるといったやり方もあります。

アパレルの開業に必要な資金

アパレルの開業にはどれくらいの資金が必要なのでしょうか。ここでは、初期費用、毎月の運営費の目安を解説していきます。

初期費用

アパレル開業の初期費用を表にまとめてみました。ここでは20坪の店舗を家賃50万円で借りると想定しています。

内訳 金額
物件取得費 300~500万円
内装工事費 200~600万円
什器費 80万円
仕入れ 100~200万円
広告宣伝費など 10~30万円
合計 690~1,410万円

物件取得費は、契約金として家賃の6カ月~10カ月分を想定しています。立地によっては、家賃を安くできますし、立地がよい場所ではさらに高くなるかもしれません。また、居抜き物件を使うことなどで、内装工事費を大幅に下げることも可能です。

このほかに、開業してすぐ売上がある保証はないため、3カ月分程度の運転資金があれば安心できます。今回の試算では、毎月の運営費が300~400万円のため、初期費用に加えて900~1,200万円が運転資金として必要です。

毎月の運営費

毎月の運営費についても、表にまとめてみました。毎月の売上を500万円と想定しています。

内訳 金額
人件費 100万円
賃貸料 50万円
仕入れ 100~200万円
広告宣伝費など 50万円
合計 300~400万円

人件費は、ざっくりと売上の20%、仕入れは売値の20%から40%と想定しました。このあたりも、店の形態や規模で大きく変わってきます。

借入について

以上のように、運転資金を含めた初期費用は1,600~2,600万円にもなります。自己資金だけでの準備は容易ではなく、金融機関などから融資を受けることが現実的でしょう。

日本政策金融公庫であれば、比較的審査が通りやすいとされています。特に「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方は、7,200万円(うち運転資金4,800万円)に融資を受けることが可能です。。

ほかにも「女性、若者/シニア起業家支援基金」や「新規開業・スタートアップ支援資金」もあります。融資を検討する際は、こういった制度もよく調べてみましょう。

日本政策金融公庫ホームページ

どこから仕入れる? 代表的な商品の仕入れ先

アパレルの運営は、安定的な仕入れ先の確保が重要です。ここでは、代表的な仕入れ先を紹介します。

①インターネットの仕入れサイト

インターネットの仕入れサイトは、さまざまなものがあります。月額料金が必要なところや登録に審査があるところもありますが、無料で登録可能なサイトも少なくありません。いくつかの仕入れサイトを紹介しますが、ひとつだけ登録するのではなく、複数サイトに登録してみて、実際の使い心地を試してみてください。

仕入れサイトは、「販売商品を準備しよう!」でご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

②問屋

問屋のよいところは、商品を実際に手に取って確かめられるところです。問屋との信頼関係を築けば、仕入れ値の交渉ができるなどのメリットがあります。問屋が在庫を抱えているため、納品が早いのもメリットです。

東京であれば横山町・馬喰町、大阪であれば船場が問屋街として有名です。実績がないと取引をしてくれない問屋もありますが、個人レベルでも取引可能なところもあるため、地道に探してみる価値はあるでしょう。

③メーカーとの直取引

展示会などを通じてメーカーへ連絡を取り、直取引をする手段があります。ほかにも、気に入った商品があったら、タグなどからメーカーを探して直接連絡を取ってみるやり方もあるでしょう。

問屋と同じく、実績がないと取引してくれない可能性もありますが、気に入った商品がある場合は、挑戦してみてください。

アパレル開業を成功に導くポイント

アパレルを開業しても、失敗してしまう可能性もあります。成功に導くポイントを確認していきましょう。

店の立地

店舗を構える場合、店の立地は非常に重要です。家賃だけで店の場所を選んではいけません。店のコンセプトと土地の客層が合っていなければ、売上は向上しないでしょう。

たとえば、高級な商品をじっくり時間をかけて選ぶというスタイルの場合、にぎやかな繁華街よりも、閑静な住宅街のほうが合っていると考えられます。

そのため、実際に候補地を訪ねてみて、居住者や人の流れを確かめてみることが重要です。

独自性

個人でアパレルを開業する場合、大手のアパレルショップと正面から戦っても勝てる見込みはありません。また多くの店のなかから、自分の店を選んでもらうには、独自の売りを明確にすることが大切です。

立地のよい店舗であれば、通りすがりの人が入ってくることもあります。しかし、仮にネット通販のみで開業する場合は、明確なコンセプトがなければ、選ばれることはないでしょう。

独自性を打ち出すには、ターゲットとする客層や店のコンセプトを明確にしていくことが重要です。例えば「20代女性向けのきれいめファッション」「30代男性向けのアウトドアファッション」などと絞っていれば、集客しやすくなります。

店のPR

独自性がある店でも、店の存在を知ってもらわなければ、売上にはつながりません。効果的な広告宣伝で、店の存在を認知してもらうことが重要です。

Google広告やInstagram広告などのインターネット広告は、地域やターゲットを限定して配信できます。広告費も低額から始められるため、ネットショップをやっている場合は、一度は試してみてもよいでしょう。

また、ターゲット層によっては、昔ながらの折り込みチラシやポスティングも有効です。

情報発信

ブログやメルマガ、Instagramなどで情報発信していくことも重要です。

ファッションのトレンド情報やおすすめのコーデ、洗練されたシルエットの出し方、やってはいけないNGコーデなど、ファッションに関するさまざまな情報を発信していきましょう。

そうすれば、単なるアパレルショップから、ファッションに関するアドバイザーとしてのポジションを得られるかもしれません。

運営を助けるツールの導入

ネットショップをつくる際、一から自分でHTMLを勉強するのは大変ですが、ネットショップ作成サービスを使えばかんたんにネットショップを構築できます。

STORES ネットショップ は、テンプレートに従えば知識がなくてもかんたんに店のコンセプトにあわせたネットショップを作れるのがメリットです。在庫管理や顧客管理など、ネットショップ運営に必要な機能も一とおり備えています。

初期費用も無料で、利用料金は実際にネットショップで売れた商品の決済手数料として数%が引かれる仕組みのため、ランニングコストも低額で済みます。

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店舗で開業する場合は、キャッシュレス決済があると便利です。キャッシュレスに対応するかどうかは、他店との差別化のひとつになるでしょう。STORES 決済 はクレジットカードだけでなく電子マネー、QRコードとさまざまな手段に対応可能です。

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また、店舗経営に必須のPOSレジは、導入費用が高いのがネックですが、STORES レジ ならiPadまたはiPhone※さえあれば導入でき、大幅にコストを抑えられます。
※iPhoneでは機能に一部制限があります。

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アパレルブランド開業時に必要なスキル

アパレルブランドを開業するには、

  • ファッションに関する知識
  • トレンドを読む力
  • 商品企画
  • デザイン
  • 仕入れ
  • 在庫管理
  • SNSやWebサイトを活用したマーケティング力
  • 顧客対応能力

といったスキルが欠かせません。加えて、会計や経営管理の知識も身につけておくと、事業の安定運営や成長につながります。

アパレルの開業ポイントまとめ

アパレルショップの開業形態には、セレクトショップとオリジナルブランド販売の2つがあり、ハードルが低いのはセレクトショップです。最初はセレクトショップで開業し、軌道に乗ったら、オリジナルブランドの取り扱いを始めるのもいでしょう。

また、アパレルは店舗だけでなくネットショップを展開することもできます。店舗とネットショップ、それぞれメリット・デメリットがあり、かかる費用も異なります。よく検討して、自分に合った方法で開業しましょう。

その際、ネットショップをかんたんに作れる STORES ネットショップ や、店舗経営を助ける STORES 決済STORES レジ などを活用しながら、アパレル開業の準備を進めてみてください。

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