これまで美容室では電話予約が一般的でしたが、現在の美容室では「ネット予約」が主流となっています。
ネット予約導入の大きな目的としては、集客・顧客満足度の向上や業務効率化が挙げられます。「うちは電話予約だけで十分だ」と思われている店舗オーナーの方も、この記事を読んだ後には考えが変わっているかもしれません。
今回は、美容室における電話予約とネット予約を比較しながら、それぞれのメリットやデメリットを徹底解説します。便利なネット予約システムもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
美容室における電話予約とネット予約についての比較
電話予約とは、お客さまが美容室に直接電話をかけてスタッフとやり取りしながら予約を確定させる方法です。直接スタッフと相談しながら予約の日程を決められるので、美容室の予約枠の効率化を図ることができます。
ネット予約とは、店舗の予約システムを活用してお客さま自身が空き枠を確認し、希望日に予約を入れる方法です。
ネット予約は今もっとも主流な予約方法になっています。調査によると、女性全体で55.7%、男性全体で52.4%の利用率があり、特に20代、30代女性に至っては70%を超える利用率になっています。
出典:(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー調べ「美容センサス2024年上期<美容室編>資料編(詳細版)『 15~69歳男女の美容サロン利用実態』」(2025年5月時点)
ネット予約の5つのメリット
24時間予約を受け付けられる
ネット予約の最大の魅力は、24時間365日、店舗が営業していない時間帯でも自動で予約を受け付けられる点です。
お客さまが「美容室に行きたい」と思ったタイミングを逃さないので、予約ニーズを確実にキャッチできます。
施術中に手を止めなくてもよい
レセプションを採用していない、少ないスタッフで営業している美容室にとっては、営業時間中の電話はスタッフ・お客さま双方にとってストレスになります。
ネット予約を導入することで、お客さまへの施術クオリティの向上・落ち着いた雰囲気作り・スタッフの負担軽減につながるでしょう。
人為的ミスが起こりにくい
電話予約では、予約の聞き間違いといった人為的なミスが発生する可能性があります。
一方ネット予約なら、お客さま自身で情報を入力し、空き状況をリアルタイムで確認、予約内容まで自動で反映してくれるため、ミスを減らすと同時に、スタッフの心理的な負担も減らすことが可能です。
顧客の管理がしやすい
多くのネット予約システムには、顧客管理機能(CRM)が搭載されています。
顧客情報の一元管理、スムーズなカルテ連携、来店頻度や利用金額といったデータに基づいた分析も可能です。
お客さまへよりパーソナライズなサービスを提供でき、顧客情報の分析により戦略的な美容室経営を実現できます。
電話で話すのが苦手な人も予約しやすい
若年層を中心に、電話に対して苦手意識を持っている方が増加傾向にあるといわれています。
予約への心理的ハードルを下げることで、電話での会話に緊張する、うまく要望を伝えられるか不安といったお客さまも気軽に予約をすることが可能です。
電話予約の3つのメリット
お客さまとのコミュニケーションを通じて要望が受け取れる
電話予約の最大のメリットは、スタッフに直接相談できるという点です。
希望日時・メニューやスタイルといったお客さまの要望や不安をその場で解消することができます。美容室にとっても、予約日時の提案もできるので予約枠の効率化を図れるのもメリットです。
営業時間であればすぐに予約ができる
お客さまが今すぐ行きたいとなった場合に、すぐに予約できるのはメリットのひとつです。
約3,000点店舗以上のサロンをコンサルティングした経験上、美容室の予約は希望当日〜3日以内がもっとも活発になるので、ネット予約では対応できないニーズを叶えられる可能性があります。
ネット操作が苦手な方も利用できる
お客さまの中には、シニア層やネット予約に抵抗を感じられる方もいるでしょう。そういった方に関しては、電話予約の方が安心されるケースもあります。
すべてのお客さまがネット予約できるわけではないという点は考慮しておく必要がります。
ネット予約の2つのデメリット
ネット操作でのミスが発生しやすい
ネット予約では、お客さまの操作によるミスが発生する可能性があります。美容室の予約においてよく起こるミスは、「予約日時の勘違い」「メニューの選択ミス」です。
ネット予約では、お客さまが見てわかりやすいシステムを選択する必要があります。
シニアの方が予約しにくい
依然としてネット予約に抵抗を感じるお客さま、特にシニア層の方々がいらっしゃるのは事実です。若年層と比べると、ネット予約の利用率が20%〜30%近く低下するアンケート結果も出ています。
これらの層のお客さまを無理にネット予約へ誘導するのではなく、引き続き電話予約の窓口を設けることが、顧客満足度を維持する上で重要です。
出典:(株)リクルート ホットペッパービューティーアカデミー調べ「美容センサス2024年上期<美容室編>資料編(詳細版)『 15~69歳男女の美容サロン利用実態』」(2025年5月時点)
電話予約の2つのデメリット
対応可能な時間が限られる
対応可能な時間が限られることは、電話予約の最大のデメリットになります。
お客さまが「予約したい」と思ったその瞬間に対応できないのは、大きな機会損失です。深夜や早朝、サロンの定休日に予約をしたいと思ったお客さまは、別のサロンを探してしまう可能性があります。
「電話がつながらなかったから、諦めた」というお客さまを1人でも減らすためには、何らかの対策が必要です。
ネット予約を利用するお客さまが増加
時代の流れとともに、お客さまの予約行動も変化しています。
STORES 予約 の調査によると、20~60代の全年代において、ネット予約の利用意向は70%以上です。
電話予約のみだと、今後お客さまが継続して通ってくれる可能性を潰すリスクがあります。お客さまの利便性も考慮することが、美容室の集客には重要です。
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ネット予約の管理システムの機能とは?
近年のネット予約システムは、単に予約を受け付けるだけのツールではありません。顧客管理、スタッフ管理、さらには集客やリピート促進まで、サロン経営を多角的にサポートするツールへと進化しています。
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予約管理機能
ただ予約を受け付けるだけではなく、リアルタイムで空き状況の自動更新、予約変更・キャンセルのオンライン対応、予約リマインダーメールの自動送信、複数スタッフ・複数メニューの複雑な予約の一元管理、といった機能を備えています。
美容室の予約効率を最大限に高めてくれる機能です。
顧客管理機能
一度ご来店いただいたお客さまとの信頼関係を深めていくために役立つ機能が搭載されています。
氏名や来店履歴・施術メニューといった顧客情報のデータベース化、来店サイクルや嗜好の分析、電子カルテとの連携が可能になり、よりパーソナルで質の高いコミュニケーションをサポートすることが可能です。
スタッフ管理機能
複数人スタッフが在籍するサロンでは、スタッフ管理も重要な業務です。
スタッフごとの出勤シフト管理、指名予約・フリー予約の設定、施術メニューと担当者の紐付けが管理機能を活用するとできるようになります。シフト作成から、スタッフごとの指名数や売上を把握するのにも役立ちます。
メールの配信機能
メール配信機能を活用することで、お客さまとの継続的な関係構築にも役立ちます。利用後の「サンキューメール」の自動送信やターゲットを絞ったキャンペーン情報、新メニューのお知らせ配信も可能です。よりパーソナライズ化された販促を実行できるでしょう。
紙のDMを使用している美容室は、この機能を活用することで販促コストを下げることにもつながります。
事前決済機能
業務効率化の一環として、事前決済機能を活用するサロンは今後増えていくと考えられます。
事前決済をすることで、当日の会計作業を簡略化でき、無断キャンセルの抑止にもつながります。施術後にお客さまをお待たせすることもなくなるのでスタッフ・お客さま双方にメリットがあるといえるでしょう。
美容室でネット予約システムを導入するときのポイント(注意点)
ネット予約システムの導入はメリットが多い一方で、事前に知っておくべき注意点もあります。ここでは代表的な2つのポイントについて、具体的な対策と共に詳しく解説します。
これを読めば、システム導入の失敗を防ぎ、その効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
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システム導入コスト・維持コストがかかる
ネット予約システムの使用には、多くの場合、初期費用や月額利用料といったコストが発生します。
導入前に特に下記の3つの項目を確認しておきましょう。
- 初期費用はどのくらいかかるのか
- 月額利用料はいくらか
- そのほかのオプション料金はかかるのか
システムによって搭載している機能に差があるので、どの機能が自分の美容室に必要か見極めることも重要です。導入時にかかるコストと、導入した際に得られる売上を比較検討することで導入時の失敗を防ぐことができます。
スタッフがシステムの操作に慣れる必要がある
予約システムは使いやすさが非常に重要です。せっかく導入したのに、スタッフが使用方法を把握しておらず十分に活用できなければ無駄な投資になってしまいます。
その上で確認しておくべき主なポイントは以下2点です。
- 操作画面がシンプルか
- 導入時の研修やアフターサポート体制は万全か
操作性の悪い予約システムを導入してしまうと、逆に効率を悪くしてしまいます。デモ画面などで、導入前に使用感を確かめた上で決定すると、失敗を最小限に留めることができるでしょう。
美容室でのネット予約システム おすすめ9選を紹介
STORES 予約
STORES 予約 は、美容室の予約・顧客管理から決済まで、あらゆる業務を効率化するオールインワンシステムです。
24時間365日のネット予約受付、月謝・回数券のデジタル化、SEO対策機能やLINEやSMSでの予約日前日のメッセージ配信やリピーター化するためのコミュニケーション実現など、多彩な機能を提供するのが特徴です。
予約カレンダーのデザインやロゴ設定ができる機能もあり、画一的ではなくサロンの個性を演出できます。
初期費用・サポート費用無料で、サロンの規模やニーズに合わせたプラン選択が可能な点も魅力となっています。
関連リンク:STORES 予約
サロンボード
国内最大級サイト「ホットペッパービューティー」と完全予約連携。24時間ネット予約で集客機会を逃さないのが強みです。
予約・顧客・売上管理、レジ機能、DM配信まで一元化できます。スマート支払いでキャンセル対策も可能。安心のサポート体制で、サロン運営をバックアップします。
coming-soon
特許を複数取得した予約システムが特徴的です。予約の「すきま時間」を自動ブロックする機能や、AIが来店を予測する「カミングメール」などユニークな機能を備えます。
空き時間から探す新予約スタイルや店頭のQRコードで空き状況を確認できる店頭NAVIで機会損失も防ぎます。特許取得の予約台帳でミスなく管理することができ、美容室の予約の無駄を削減してくれます。
AirRESERVE
24時間ネット予約ができるので、接客の中断がありません。電話予約も一元管理できます。オンライン決済の手数料率が業界最安水準の3.24%であるのも特徴です。顧客管理、Airレジ連携で会計もスムーズに行えます。
シンプル操作と低コストで、予約から顧客管理まで美容室運営をスマートにサポートしてくれます。
Choice RESERVE
自由設計で理想の予約サイトを構築できるシステムです。豊富なデザインカスタマイズ、コンテンツ編集(CMS)機能などにより、美容室のブランドイメージを細部まで反映できます。
会員制運用やSEO対策も万全で、既存顧客データのCSV一括登録も可能。こだわりを形にし、集客と顧客満足度を高めることができます。
KaruteKun
PCが苦手なスタッフでも安心して使えるシンプルな操作性と、データ登録代行や出張説明会も可能な専任スタッフによる徹底サポートが最大の強みです。
カルテ・予約・売上管理をクラウドで一元化し、LINE連携で顧客コミュニケーションも円滑に行えます。営業後の作業を減らし、お客さまと向き合う時間を作り出せるでしょう。
reservia
集客からリピートまで、サロン運営をトータルサポートするシステムです。LINE連携予約や自社アプリ「サロンカード」で顧客を囲い込むことができ、さらに予約の一元管理でダブルブッキングも防止できます。
多言語対応やGoogleで予約機能も無料で使えます。クーポンサイト連携(BMS)やPOS連携で、美容室の集客と業務効率化を強力に後押しします。
BeautyMerit
サロン専用オリジナルアプリで24時間予約受付、プッシュ通知で直接お知らせしてくれます。ポイント機能やアプリ内ECで、再来店と店販UPもサポート。複数予約サイトの予約を一元管理し、SNS連携の自社WEB予約も可能です。カルテ機能や多言語対応も備え、顧客との絆を深め、売上向上に貢献します。
LiME
LINE連携予約・カルテ共有、メッセージ自動配信など、顧客との関係性を強化する機能を搭載しています。POSレジ/会計、売上・LTV分析機能も充実。ホットペッパーやインスタグラムとの連携、Google MEO対策もあり、集客も支援します。AIによるメニュー・日程提案もあり、サロン運営のすべてを網羅し、リピートと売上向上へ導きます。
まとめ
ネット予約と電話予約にはそれぞれメリット・デメリットが存在します。しかし、時代の流れとともにお客さまの予約経路がネット予約に移ってきているので、競争が激しい美容室においては、お客さまに合わせた予約方法の導入を検討していく必要性は高まっています。
ネット予約システムを導入する際は、それぞれのシステムの利便性や料金、自サロンの顧客ターゲットを考慮した上で、最適なネット予約システムを選びましょう。この記事を最適な予約方法とシステム選びの参考にしてください。