歯科医院を開業するには、歯科機器・物件取得・内装工事・運転資金など、多岐にわたる費用が発生します。その総額は数千万円規模になることも多く、綿密な資金計画こそが開業成功の土台といえるでしょう。
本記事では、歯科医院の開業に必要な費用の内訳・資金調達の方法・利用できる補助金・開業コストを抑えるコツまで、開業を検討している歯科医師の方に向けてわかりやすく解説します。

歯科医院の開業費用は、大きく「初期費用」と「運転資金」に分けられます。初期費用とは、歯科機器の購入・物件取得・内装工事など開業前に必要な費用を指します。運転資金は、開業後に収入が安定するまでの間、人件費・賃料・材料費などを賄うための資金です。
費用の総額は立地・規模・診療方針によって大きく異なりますが、目安として5,000万〜1億円程度を想定しておくことが一般的です。資金調達にあたっては、総開業費用の10%以上(最低500万円程度)を自己資金として準備した上で、残りを融資や補助金で補う計画を立てることが重要です。
自己資金の比率が高いほど金融機関の審査に有利に働くため、開業を検討し始めた段階から計画的に資金を積み立てておくことを推奨します。
歯科医院の開業費用のなかで最も大きな割合を占めるのが、歯科機器・設備への投資です。診療の中心となるユニット(診察台)をはじめ、滅菌機器・X線設備・バキュームシステムなど、専門性の高い機器が多く必要となります。
主な機器と費用の目安は以下の通りです。
| 機器・設備の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| ユニット(診察台)3台 | 200万〜1,000万円程度 |
| バキューム・コンプレッサー | 約1,000万円 |
| X線設備(パノラマ・デンタルなど) | 約1,000万円 |
| 滅菌機・超音波スケーラーなど | 数百万円〜 |
| 合計目安 | 2,000万〜3,000万円以上 |
診療方針によってはCT装置やCAD/CAMシステムなどの高額機器が加わることもあり、3,000万円を超えるケースも珍しくありません。機器の選定においては、購入とリースを組み合わせることで初期費用を抑える方法も有効です。
歯科医院向けの物件を賃貸で借りる場合、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用として家賃の6〜15か月分程度がかかるのが一般的です。例えば、月額賃料60万円の物件であれば、初期費用だけで450万円前後になる計算です。
立地や交渉次第では条件が変わる場合もあるため、事前に複数の物件を比較することをおすすめします。
歯科医院の内装工事は、給排水設備・電気・ガス・防音など一般的なオフィスよりも複雑な工事が必要となります。工事費用は規模や仕様によって異なりますが、1,500万〜2,000万円程度が目安です。さらに受付カウンター・待合室の家具・サインなどの什器費用として200万円以上が加わるケースもあります。
居抜き物件(前テナントの設備をそのまま使える物件)を選ぶことで、内装工事費を大幅に抑えられる場合があります。ただし、既存設備の状態や診療方針との適合性を事前に確認することが重要です。
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歯科医院の運転資金において特に注意すべきなのが、開業後2か月間は保険診療の収入が限定的になる点です。保険診療を開始するには社会保険診療報酬支払基金への登録が必要で、収入が入り始めるまでに時間がかかります。この期間は自費診療の収益のみとなるため、十分な手元資金を確保しておくことが欠かせません。
運転資金の目安としては、粗利の6か月分以上を確保しておくことが推奨されています。スタッフの人件費・賃料・材料費・光熱費などを月次でシミュレーションし、余裕をもった資金計画を立てましょう。患者数が軌道に乗るまでに1〜2年かかるケースもあることを念頭に置いておくと安心です。
歯科医院の開業資金調達においてよく活用されるのが、日本政策金融公庫の融資制度です。
担保・保証人なしで融資を受けられるケースもあり、民間銀行と比較して低金利・長期返済が特徴です。創業前・創業直後でも申し込めるため、開業を検討し始めた早い段階から相談しておくとよいでしょう。
医療・福祉分野の開業を対象とした低金利融資制度として、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の活用も選択肢のひとつです。医療機関向けの専門的なサポートを受けながら融資を申し込める点が特徴です。
メガバンクや地方銀行のほか、医療機関向けの融資に特化した金融機関もあります。融資額は公庫よりも大きくなる場合がありますが、審査基準や金利条件は機関によって異なるため、複数を比較検討した上で条件の合う融資先を選びましょう。
親族から資金を借りたり贈与を受けたりする方法もありますが、贈与の場合は年間110万円を超えると贈与税が発生します。また、借入の場合は適切な金利設定と返済計画を文書化しておくことが重要です。税務上の取り扱いについては、事前に税理士に確認しておくことをおすすめします。
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開業費用の一部を補助金・助成金で賄える場合があります。代表的な制度を紹介します。
業務効率化を目的としたITツールの導入に活用できる補助金です。予約管理システムや電子カルテなどのソフトウエア導入費用に充てられる可能性があります。対象ツールや補助額は年度ごとに変わるため、最新情報は中小企業庁の公式サイトで確認してください。
設備投資や業務効率化に取り組む事業者を対象とした補助金で、歯科機器の購入にも活用できるケースがあります。
ハローワークを通じて対象者を試行的に雇用した場合に支給される助成金で、1人あたり最大12万円が目安です。スタッフ採用を伴う開業であれば活用を検討する価値があります。
※各補助金・助成金の内容・要件は年度によって変更されます。申請前に最新の公募要領を必ず確認してください。
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前テナントの内装・設備をそのまま引き継げる居抜き物件を選ぶことで、内装工事費を大幅に抑えられます。特に前テナントが同業の歯科医院であれば、ユニットや給排水設備をそのまま活用できる場合もあります。
ただし、設備の状態や衛生面を必ず事前に確認し、リフォームが必要かどうかを見極めた上で判断することが重要です。
すべての機器を新品で揃えるのではなく、状態の良い中古品を活用することで初期費用を抑えられます。特に診療上のクリティカルでない周辺機器は、中古品との使い分けが有効です。
一方で、ユニットや滅菌機など患者さまの安全に直結する機器は、メンテナンス履歴を十分に確認した上で導入を判断しましょう。
経験豊富なスタッフを採用することで、研修にかかる時間とコストを削減できます。即戦力のスタッフがいれば、開業直後から安定した診療体制を整えやすくなり、早期の収益化につながります。
開業後、患者数が増えてくると予約管理・会計処理・キャッシュレス対応など、診療以外の業務負担が増してきます。 STORES のサービスを活用することで、こうした業務を効率化しながら患者さまの満足度向上も図れます。
STORES 予約 を導入すると、患者さまがWebやLINEからいつでも予約を入れられるようになります。初診時の症状や既往症などをあらかじめ入力してもらう問診票機能も活用でき、診察前の準備がスムーズになるでしょう。
確認メールやリマインド通知の自動送信にも対応しているため、予約の取り違えや無断キャンセルの防止にもつながります。電話対応の負担が軽減される分、受付スタッフを院内業務に専念させやすくなるのも利点のひとつです。
クレジットカードを持参していない患者さまや、電子マネー・QRコード決済での支払いを希望する方への対応として、 STORES 決済 が役立ちます。クレジットカード・交通系IC・PayPayなどのQRコード決済に幅広く対応しており、決済手数料はクレジットカード・交通系ICで1.98%〜です。
特に自費診療の比率が高い診療科目では、キャッシュレス決済の充実が患者さまの利便性向上にもつながります。
STORES レジ はiPad・iPhoneで使えるPOSレジです。 STORES 決済 と連携することで、自費診療の会計から売上データの管理までを一元化できます。会計ソフト(freee・マネーフォワードなど)との連携にも対応しており、経理業務の効率化にも貢献するでしょう。
フリープランなら月額0円で始められ、スタンダードプランでは月額3,300円(税込・年間契約)で決済端末の無料貸し出しや各種連携機能が利用可能です。
歯科医院の開業には、歯科機器・物件・内装工事・運転資金を合わせた総額として5,000万〜1億円程度の資金を見込む必要があります。自己資金として総費用の10%以上を準備した上で、日本政策金融公庫や福祉医療機構の融資・補助金を組み合わせた計画的な資金調達が重要です。
開業コストを抑えるためには、居抜き物件や中古機器の活用も有効な手段です。また、 STORES 予約・ STORES 決済・ STORES レジ を活用することで、開業後の業務効率化と患者さまの利便性向上を同時に実現できます。本記事を参考に、歯科医院の開業準備を着実に進めてみてください。


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