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更新日
2025-09-02

顧客満足度を向上させる方法12選|成功事例も紹介

STORES マガジン編集部
顧客満足度を向上させる方法12選|成功事例も紹介

商品やサービスを提供し、そこから利益を得る際に重要なのは「顧客満足度」です。つまり、お客さまをきちんと満足させているのか? が重要になります。

今回はその顧客満足度の高め方について、また、その方法などについても詳しく解説していきます。

顧客満足度とは一体何なのか?

顧客満足度とは、「Customer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)」とも呼ばれ、一般的には「CS」と略されます。

かんたんにいうと、お客さまがその商品やサービスに対してきちんと満足したのかどうか? を表した指標です。お客さまは、さまざまな面で提供されるサービスのよし悪しを判断しています。それは、商品力だけではなく、提供してくれるサービスの質などにもかかわることです。

さらに、現代社会のように物や情報が溢れ、商品の価値が相対的にどんどん下がっていくと、お客さまの視点はどんどん厳しくなっていきます。物が不足している状態の場合、商品さえあれば顧客満足度を獲得できましたが、現代社会は違います。あらゆる提供したサービスを総合的に判断され、顧客満足度として認知されているのです。

また、顧客満足度とは一概に数値だけで測れるものではなく、極めて主観的な価値観で判断されます。よかれと思って施したサービスも、裏目に出てしまうことがあるのです。それでも、ビジネスをおこなっていく上で、顧客満足度を高めることは、必ずおこなっていかなければいけません。では、どうすれば顧客満足度を高められるのでしょうか? いろいろな視点から分析していきます。

なぜ顧客満足度が低いといけないのか?

顧客満足度が低いと、ビジネスが成り立ちにくくなります。そもそも、なぜ顧客満足度が低いといけないのでしょうか?
かんたんにまとめましたのでご覧ください。

① 顧客満足度が低いことは、お客さまが不満を持っている状態だから

顧客満足度が低いといけない理由ひとつ目は「お客さまが不満を持つから」です。顧客満足度が低いと、お客さまは「不満を持っている状態」といえます。

一般的にお客さまがサービス提供者に求めている満足度の基準を「期待水準」といいます。一方で、実際に提供されたサービスをどう感じたのかは、「知覚水準」です。

この期待水準を知覚水準が同等、もしくは上回らなければお客さまは不満を持ちます。対価としてお金を払っているため、「損をした!」と感じるからです。お客さまが期待した水準よりも高いサービスの提供が、顧客満足度につながります。

②顧客満足度が低いとビジネスとして成り立たないから

顧客満足度が低いといけない理由2つ目は「ビジネスとして成り立たないから」です。お客さまが何度も何度もサービスを購入してくれるのは、「顧客満足度が高いから」です。

多くのお客さまに何度もサービスを購入していただけなければ利益にはつながらず、ビジネスとして成り立たせることが不可能になります。利益を出してビジネスとして成り立たせるには、顧客満足度が必要です。

顧客満足度を向上する方法12選

顧客満足度を高めるにはいくつか方法があります。参考にしてみてください。

①自社で提供するサービスを100%やりきる

顧客満足度を高める方法の1つ目は「自社で提供するサービスをきちんとやりきること」です。

自社で提供するサービスを、すべてのスタッフが高水準で提供できているでしょうか? サービスの提供にムラがあるならば、社内教育をするなどムラのないサービス提供ができるようにすることが必要です。サービス提供の足並みを揃えることで、顧客満足度を高めることにつながります。

また、モチベーションが上がらないことで提供するサービスにムラが生まれることがあります。従業員のケアを定期的におこない、仕事に対するモチベーションの維持し続けることも重要です。

②お客さまの気持ちを考えて行動する

前述しているように、顧客満足度とはきわめて主観的な価値観で判断されます。そのため、こちらがよいと思ったことでも、お客さまは悪く感じられることがあります。

チーム全員が「お客さまはどう考えているだろう? 」という思考で行動をすれば、顧客満足度は高まっていくでしょう。

③顧客満足度調査を定期的におこなう

顧客満足度の調査は定期的におこないましょう。外部機関を利用することで、より客観的な意見を求めることが可能です。

アンケート調査、電話調査、覆面調査員による自社の調査などさまざまな方法があります。定期的におこないフィードバックを受けることで、サービスの質が基準値より低下しないことにつながるでしょう。

また、自社では今まで気が付けなかったポイントに、気が付けるようになります。

④顧客満足度の定義をチーム全体で共有する

チームの中で「こういうときに、顧客満足が高まる」というある一定の基準を設けて共有しておくことで、提供できるサービスのムラを無くすことにもつながるでしょう。

どこまでやってもいいのか? という基準を設けることにもつながり、従業員の判断基準のひとつにもなるため、有用です。

⑤期待値の誤差を調整する

顧客満足度の向上には、お客さまが持つ期待値と実際のサービスや商品が提供する価値との「誤差」の調整が重要です。過剰な期待は、少しのズレによって不満につながりやすくなります。

そのため、広告や営業活動では実態に即した情報発信を心がけ、誤解を招かない表現や明確な仕様の説明をおこないましょう。

また、サービスの提供時には事前に「できること・できないこと」をしっかり伝えることで、お客さまの期待値を現実的な範囲に調整できます。

お客さまの期待とのギャップが生じた場合は、すぐにていねいなフォローと説明をおこない、信頼回復に努めることが重要です。お客さまとのコミュニケーションを強化し、期待値の誤差を最小限に抑えることが、顧客満足度の向上に近づくカギとなります。

⑥接客で顧客満足度を高める

接客は、顧客満足度を大きく向上できる要素です。スタッフ一人ひとりがお客さまの目線でていねいな対応を心がけることで、お客さまは「大切にされている」と感じ、満足度が高まります。

具体的には、笑顔での接客や迅速な対応、お客さまの要望をきめ細かくヒアリングし、適切な提案をおこなうことなどが挙げられます。また、クレームやトラブルが発生した際も真摯な姿勢で対応し、迅速かつ誠実に対処することが信頼につながるでしょう。

定期的な接客研修やロールプレイングを導入し、スタッフの接客スキルを向上させることも、顧客満足度の継続的な強化に効果的です。

⑦口コミを活用する

お客さまが商品やサービスを選択するうえで非常に大きな影響力を持つのが口コミです。高評価の口コミは第三者の信頼できる意見として企業や商品の信頼度を高め、顧客満足度の向上に直結します。

自社サイトやSNS、レビューサイトを通じて、積極的にお客さまの声を集めて掲載しましょう。また、口コミを促すために、購入後アンケートやレビュー投稿キャンペーンを開催することも有効です。

もし、ネガティブな口コミが投稿された場合も、真摯な対応を見せることで企業の誠実さが伝わり、ほかのお客さまへの印象もよくなります。

よい口コミはさらなるお客さまの獲得、悪い口コミへの適切な対応は信頼の維持につながります。口コミの活用は、顧客満足度向上に欠かせない施策です。

⑧購入後のフォローもおこなう

顧客満足度の向上には、購入後のフォローも欠かせません。商品やサービスの購入はお客さまとの関係において始まりにすぎず、アフターフォローによって満足度が決まります。

たとえば、購入後に使い方の案内やサポート情報を提供したり、トラブル時の問い合わせ窓口を案内したりすることで、お客さまは安心感を持つでしょう。

また、定期的なフォローメールやアンケートを通じてお客さまの声を把握し、改善に活かすことも重要です。

こうした取り組みが「この企業はお客さまを大切にしている」といった信頼感を生み、リピーターの獲得や口コミの拡大につながります。

⑨双方向のコミュニケーションを取る

企業から一方的に情報を発信するだけでなく、お客さまの声にしっかり耳を傾け、双方向のコミュニケーションが重要です。

SNSやチャットボット、カスタマーサポート窓口など、多様なチャネルを活用してお客さまからのフィードバックを収集しましょう。意見や要望、ときにはクレームも真摯に受け止め、迅速に改善へとつなげることが信頼の醸成につながります。また、イベントやキャンペーンを通じて、お客さまとダイレクトに交流することも効果的です。

双方向のやり取りはお客さまとの距離を縮め、商品やサービスに対する満足度やロイヤルティの向上をもたらします。お客さまはともに価値をつくりあげるパートナーである、という意識を持つことが大切です。

⑩分析ツールを活用する

顧客満足度の向上には、データに基づいた施策の立案と改善が不可欠といえます。そこで有効なのが、お客さまの行動や満足度を可視化できる分析ツールの活用です。

アンケート結果や購入履歴、アクセスログなどをデータとして蓄積・分析すれば、お客さまのニーズや問題点、満足度の低下要因を迅速に把握できます。

たとえば、アンケートや分析ツールを使えば、定量的な評価が可能となり、改善の優先順位を明確にできるでしょう。分析結果をもとに、的確なアクションを実施することで、さらに顧客満足度の向上が期待できます。

⑪ダイナミックプライシングを活用する

ダイナミックプライシングとは、需要や供給に応じて、価格を柔軟に調整する戦略です。お客さまは最適な価格で商品やサービスを購入できます。

たとえば、繁忙期と閑散期で価格を調整したり、需要の高い試合や公演で価格を変動したりなど、収益の最大化を目指した価格を設定できます。

AIや分析ツールを活用すれば、リアルタイムで価格を調整でき、競争力のある価格戦略を維持することが可能です。ダイナミックプライシングはお客さまの多様なニーズに応え、顧客満足度の向上と売り上げ拡大の両立が期待できます。

⑫従業員の満足度向上が顧客満足度につながる

従業員の満足度向上は、直接的に顧客満足度の向上に結びつきます。従業員が働きやすい環境でモチベーション高く業務に取り組むことで、お客さまに対するサービスの質が自然と向上するでしょう。

たとえば、社内コミュニケーションの活性化や、適切な評価・報酬制度、スキルアップの機会の提供など、従業員を大切にする企業文化の醸成が重要です。

従業員が自信と誇りを持って働ける職場では、そのポジティブな姿勢が接客や業務を通じてお客さまに伝わります。結果として、お客さまは満足しやすくなり、企業全体の競争力向上につながります。

顧客満足度を高める際にやってはいけないこと

顧客満足度を高める上において、やってはいけないこともあるのでご紹介していきます。

①戦略的ではない値下げの敢行

顧客満足度を高める際にやってはいけないことひとつ目は「戦略的ではない値下げの敢行」です。つまり、お客さまに満足してもらうためだけに、赤字になっても値下げをし続けることです。商品やサービスの値下げは、あくまでも戦略的におこなっていかなければいけません。

最終的に利益が残らない値下げをおこなうと、ビジネスとして成り立っておらず、慈善事業に当たります。どのように値下げをおこない、どのように利益を確保し、顧客満足度を高めていくのかを明確にして行動することが必要です。

②採算に合わない過剰サービスの提供

顧客満足度を高める際にやってはいけないこと2つ目は「採算に合わない過剰サービスの提供」です。「すべてはお客さまのため」と考え、過剰にサービスをし続けることは同様に人件費コストを高め、利益を減らします。

サービス込みの価格設定がされているのであれば、必ずおこなわなければいけませんが、どこまでサービスをするのかは事前にチーム内で共有をしておきましょう。

採算に合わない過剰なサービスを提供し続けることは、考え方によって商品の値下げをおこなうことと同じ効果を生んでしまう場合もあるのです。

顧客満足度向上に成功した事例

企業が持続的に成長するには、顧客満足度の向上が欠かせません。ここでは、実際に顧客満足度を意識して施策を実施された企業の事例を紹介し、具体的な取り組みや効果について解説します。

ウッドベリーコーヒー

ウッドベリーコーヒーは、店舗でのコーヒー提供とオンライン販売の双方に力を入れているスペシャルティコーヒー専門店で、公式アプリの導入により顧客満足度を大幅に向上させました。

お客さまはアプリで過去の購入履歴を確認できるため、「店舗で飲んだあのコーヒーをもう一度飲みたい」と思った際に、いつでもかんたんにネットショップから購入することができます。この機能は、実店舗での感動的なコーヒー体験を、お客さまの日常にシームレスに繋げる役割を果たしています。

アプリの導入により、実店舗からネットショップへのスムーズな送客を実現し、お客さまとの関係を深化させました。その結果、ネットショップの売上は倍増するという、顕著な成果につながっています。

参考:STORES 導入事例「ウッドベリーコーヒー」

Far Yeast Brewing

Far Yeast Brewingは、クラフトビールの製造とオンライン販売をおこなうブランドとして、魅力的な商品を多くのお客さまに届けています。

同社はイベントで配布したクーポンをきっかけに、お客さまをネットショップへ誘導し、リピート購入につなげています。

また、「限定公開機能」を活用し、会員だけに特別なご案内をメルマガで送付したところ、1日で売り切れるほどの効果がありました。

現在、ネットショップのリピーターは全体の15%を占めます。その売上利益を商品紹介冊子のリニューアルなど、さらなる顧客満足度向上のために投資して活用するという、よいサイクルを生み出しています。

お客さまへ利益を還元する運営が、顧客満足度向上の大きな要因となっているのです。

参考:STORES 導入事例「Far Yeast Brewing」

シップス

9つのブランドを展開するセレクトショップ「シップス」は、来店予約システムを導入し、新たな顧客体験の提供に成功し、顧客満足度の大幅な向上につなげました。

STORES 予約 で予約されたお客さまには、ファッションに関する専門知識豊富なスタッフが1対1で丁寧に対応。お客さまは、他のお客さまの目を気にすることなく、自身の好みや悩みをじっくりと相談しながら、最適な一着を選ぶことができます。このパーソナルな時間は、単なる買い物以上の価値を提供できるのです。

その成果は明確な数字にも表れており、来店予約をされたお客さまの平均客単価は、予約なしの場合と比較して3倍以上という驚くべき結果に。丁寧なコミュニケーションを通じて顧客との信頼関係を築くことが、結果的に大きな売上向上にも繋がっていることを示す好事例です。

参考:STORES 導入事例「シップス」

FUGLEN

ノルウェー発のコーヒーショップ「FUGLEN TOKYO」は、デジタル会員証の導入により、顧客との関係を深化させています。お客さまからは「ポイントカードを忘れる心配がなくなり便利になった」と好評の声をいただいているそうです。

紙のカードでは難しかった顧客情報の管理も、デジタル化によって大きく改善されました。アプリを通じてお客さまの来店頻度やコーヒーの好みといったデータを把握できるため、一人ひとりに合わせたサービスやアプローチのカスタマイズが容易になりました。

画一的なサービスから、お客様との繋がりを重視した1対1のコミュニケーションを実現し、顧客満足度の向上につなげています。

参考:STORES 導入事例「FUGLEN TOKYO」

BR Lab

パーソナルトレーニングジム「BR Lab」は、予約システムの導入により、お客さまの利便性とスタッフの業務効率を同時に向上させました。

それまでは電話やLINEで予約を受け付けていましたが、STORES 予約 の導入後は、お客さま自身が「会員向けアプリ」から24時間いつでも好きなときに予約や変更ができるようになりました。

また、月額制プランの利用回数もお客さま自身でアプリから確認できるため、問い合わせの手間が削減され、よりスムーズなサービス提供が可能に。

この利便性の高さが予約率・来店率の向上にもつながり、顧客満足度と店舗運営の効率化という好循環を生み出しています。

参考:STORES 導入事例「BR Lab」

顧客満足度を高めるには? のまとめ

今回は「顧客満足度を高めるにはどうしたらいいのか」というテーマで記事を進めてきました。
顧客満足度は、お客さまが期待している期待水準よりも、知覚水準が高いときにより高評価を受けることができます。つまり、お客さまの想像よりも上のサービスを提供し続ける必要があるのです。

ただし、その提供するサービスが思わぬコストに繋がり、経営が赤字状態になってしまうのであれば、そのサービスはしないほうがよいでしょう。
そのような事態に陥らないよう、明確なサービスの基準を設け、定期的に勉強会などをおこなうなどしてチーム全体のレベルを高めていく必要があります。顧客満足度を向上するために、長期的視点を持ちチーム全体で取り組んでいきましょう。

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