山梨県北都留郡小菅村にある源流醸造所やベルギーでの契約醸造によりさまざまなクラフトビールを製造し、国内外で販売するFar Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)。直営飲食店を東京、熱海、福岡に展開するなど幅広い事業を手がけています。 今回は ネットショップで工夫を凝らした商品企画を行いファンを魅了するFar Yeast Brewing株式会社 ECチームの小松代さんにお話を聞きました。
STORES ネットショップ
「Democratizing beer-産業化によって画一的な大量生産商品になってしまったビールの多様性と豊かさをもう一度取り戻す」をミッションに、クラフトビールの製造・販売と、飲食店の運営を行っています。
製造・販売しているクラフトビールの中でも代表的なブランドは3つ。クラフトビール初心者の方にお試しいただきたい定番の「Far Yeast」、柚子や山椒を使った和の食卓にぴったりの「馨和 KAGUA」、ワイルドイーストやビール酵母以外にも微生物の力を借りて作った独創的な味わいの「Off Trail」です。
また、本社のある山梨の農家の方と協業した「Peach Haze」など地域と連携して製造する特別なクラフトビールもあるんですよ。
クラフトビールを通じた地方創生は、観光客の呼び込みに留まることが多いのが現状です。当社は、その根本課題である「人口減少」に向き合うため、本社や新工場を山梨に置くことで雇用促進にも力をいれています。
また、この工場では環境への配慮にもこだわっていて、クラフトビールを作る際に出る麦芽かすを飼料に加工し農家の方にお譲りするなど、地域に豊かさをもたらすことも目指しています。
導入時は別の者が担当していたのですが、「手数料などの運営にかかるコスト計算が楽」かつ「シンプルで扱いやすいこと」が決め手だったのではないかと思います。他社のサービスは、例えばシステム利用時の手数料の計算が複雑だったり、海外のサービスだと操作でわかりづらい点が多かったりということがありました。当社ではこれまでネットショップの運用を1名体制で行なってきましたので、システム利用コストの計算がしやすく、さらに簡単に扱える操作性がとても大切でした。
ネットショップは、イベントなどでFar Yeast Brewingを知りクラフトビールを飲んでいただいたお客さまに、その場限りではなく、再び当社のクラフトビールを楽しんでもらう機会へとつなげる役割を担っています。例えば、イベントでビールを気に入っていただいても、何本も購入して持って帰るにはビール瓶の重さがネックになることがしばしばありました。そんな時にネットショップで使えるクーポンが印刷されたカードをお渡しして、お客さまの良いタイミングでまた購入いただけるような取り組みをしています。特に2024年4月から角打ち(酒店で購入したお酒をその場で飲む文化)イベントに参加するようになって以降は、イベントで配布したクーポン経由での購入が増えており、効果を感じていますね。
ネットショップでしか買えない商品づくりです。例えば「飲み比べセット」や、「複数のビールが12本入ったセット」などですね。「馨和 KAGUA」のセットは、引き出物にも人気なんですよ。
また、引き出物などのまとまった量の注文や、特別な対応が必要な場合は、「限定公開機能」を使って該当のお客さま専用の商品ページを作成し、注文や決済の対応を行うこともあります。さらに「まとめて割機能」を活用し、複数商品を購入しやすくすることで購入単価を上げる工夫もしています。
私が書いています。メールマガジンの執筆は、インパクトのあるビジュアルとカジュアルなテキストを組み合わせて作ることを意識しています。たくさんのビールを製造し、その都度ご紹介していると、すべての情報がいつもお客さまに伝わるということはありません。だからこそリマインドの意味も込めて、少し前に新作としてリリースしたビールをメールマガジンで改めてご紹介したり、その時の自分が飲みたいビールをリコメンドしたりして、リピーターのお客さまにFar Yeast Brewingの多様なビールを思い出して、楽しんでもらえるような案内を心がけています。
「限定公開機能」と「メールマガジン機能」を活用することで、商品在庫を残さず、売り切ることができるようになりました。これまでは、在庫がわずかであることを表示しても、なかなか売り切れにならなかったのですが、特別価格にして限定公開にし、そのURLをネットショップの会員の方だけにメールマガジンで案内してみたのです。そうすると、お求めやすい価格になっていたこともあり、在庫が1日で売り切れるほど効果がありました。
また、当社のネットショップはリピーターの方が15%ほどで、特に5回以上購入してくれる方が多くを占めています。いつも購入いただけるお客さまのおかげで、ネットショップの売上も安定しており、「商品紹介冊子のリニューアル」などの新たな取り組みを始めることもできそうです。ネットショップの売上で出せた利益をもとに、お客さまの満足度を上げるための投資をするという良いサイクルができつつありますね。
これまで他社主催のイベントに参加してきましたが、将来的には自社主催のイベントを実現したいと考えています。また、ネットショップでは、記念日や結婚式など大切な日のためのオリジナルビールを個人のお客さまに提供できるサービスを展開できたらいいなと構想を膨らませています。
そして、何よりも叶えたいのは、クラフトビールを通して本社のある山梨との連携を深めていくこと。2025年の1月中旬には、山梨県産の麦芽を使ったビールがリリースされました。これを皮切りに、さらに地元の方との共生共栄を実現し社会課題の解決にも力を注いでいきたいと考えています。
Far Yeast Brewingさまのネットショップ:https://faryeast.stores.jp/