当社は衣料品の企画販売を行っており、全国に70店舗以上の直営店を展開しています。「Stylish Standard」をコンセプトに、トレンドとベーシックをミックスしたスタイルを提案しており、現在はSHIPS、SHIPS anyなど9つのブランドを展開中です。2025年には創業50周年の節目を迎えます。
また、この数年で、2つの新しいブランドが加わりました。1つ目は、40代の働く女性をターゲットにし、当社では初の挑戦となるD2Cブランド「quaranciel(カランシエル)」、2つ目は若年層をターゲットにしたメンズカジュアルブランド「City Ambient Products(シティアンビエントプロダクツ)」です。新ブランドも含め、お客さまの多様なニーズに対応できるよう、事業を推進しています。
当社が導入を検討していたオンライン接客・来店予約のためのシステムとして、STORES 予約 は相性が良いのではないかと思ったことがきっかけです。
当時は、新型コロナの影響で入店客数が大きく減少していました。その対策としてオンライン接客を行うための予約システムを探していたのですが、偶然、同業他社が STORES のシステムを導入していることを知りました。STORES のノウハウは当社のシステムにも活かせるのではないかと考え、詳しく話を聞くことを決めました。
STORES 予約 を導入することに決めた最大のポイントは、Zoomとの連携機能です。当時は新型コロナの影響でZoomに注目が集まっており、当社もちょうどWebミーティングの導入を開始した時期でした。お客さまの間でもZoomが認知され始めていたため、当社の事業にも活用できるのではと感じたのです。また、導入をスムーズに実施できそうな点にも期待感がありました。予約を受けた時に関係者へと自動で送られるメール送信機能や、デジタルツールの操作が苦手でも、かんたんに設定・管理できる操作性が魅力的でしたね。
当初は来店予約よりも、オンライン接客に力を入れていましたが、残念ながらオンライン接客は当社のお客さまのニーズとは合わないことが分かりました。一方で、密を避けて買い物ができる「来店予約」のほうに注目が集まったのです。「混雑を避けながら一対一で質の高い接客を受けられる」とお客さまからも高評価をいただき、予約システムも「使いやすいツールですね」とのお声も頂戴しました。
その後、顧客数と稼働率が多い店舗を選定して、来店予約ができる店舗を増やすようにしていきました。
密を避ける目的でツールを活用していたので、コロナが落ち着いたらニーズが落ちるのではといった懸念もありました。しかし、実際にはコロナ禍以降も来店予約数は上がり続け、お客さまからは現在まで高い評価を頂いています。お客さまの中には「この人に接客や提案をしてもらいたい」というニーズが強くあることを、改めて実感しました。
大切なお客さま、特にリピーターさまにしっかり時間をかけて接客できるようになったことが大きな変化です。
来店予約導入前は、担当スタッフとお客さまとのお約束が個別対応になってしまい、他のスタッフはご来店時間を把握できない状態でした。そのため、土日の混雑時には、お約束済みのお客さまをお待たせしてしまうこともあり、担当スタッフ自身ももどかしさを感じていました。
来店予約を導入したことで、店舗全体でお客さまのご来店時間を共有でき、混雑時でもフォローをし合える仕組みが整い、現在は大切なお客さまをお待たせすることがほとんどなくなっています。
来店予約によって、新たな接客スタイルが生まれたと思っています。
以前は、お客さまの次回来店を促進するためには、当社スタッフからご連絡するという一方向のアクションしかできませんでした。しかし今では、お客さまご自身が、来店前にスタッフを指名予約し、希望のスタッフから接客を受けることができるようになりました。すなわち、お客さまも「どのスタッフに接客してもらいたいか?」を選べるようになり、結果としてお客さまの満足度向上にも繋がっています。さらに、スタッフにとっても、指名制によりお客さまに選ばれていることはもちろん、その後のレビューコメントなどでモチベーションアップに繋がっていると思います。
当社では来店予約をしていただくお客さまに、事前アンケートを実施しています。 事前アンケートには、例えばジャケットやスーツのカスタムオーダーに関する要望が書かれることが多く「息子の成人式に新しいスーツを作りたいので、そのために来店したい」などの要望があります。そのようなご要望を事前にヒアリングできることで、スーツの生地の準備などを前もって進めることができ、より効率良く、お客さまに適したご提案ができるようになりました。
来店予約を利用されたお客さまの購買率は約75%(※1)です。来店予約以外で入店されたお客さまの購入率が数%であることを考えれば、非常に高いと言えますね。
また、来店予約なしのお客さまと比べて、来店予約ありのお客さまの平均客単価は3倍超(※2)となり、お客さまの満足度が結果にも現れています。 来店予約のキャンセル率も非常に低く、直前でのいわゆるドタキャンは少ないですね。
(※1)対象期間:2024年3月〜8月、シップス提供
(※2)対象期間:2024年3月〜2024年9月、対象店舗:来店予約を導入している全店舗、シップス提供
当社では、「SHIPS Member's Club」という会員プログラムを提供しており、2024年にリニューアルしました。
リニューアル後の会員プログラムでは、買い物以外のアクションでポイントを貯めることができ、STORES 予約 を使った「来店予約」を利用した際にも、ポイントが貯まる仕組みになっています。
その結果、会員プログラムのリニューアル前後で来店予約件数は約3倍(※3)に伸びたのです。特にロイヤルカスタマーの来店頻度が大きく伸長し、来店予約と会員プログラムを掛け合わせることで大きな成果を生み出すことができました。
(※3)2023年3月〜8月と2024年3月〜8月を比較、シップス提供
今後も「会員プログラム×来店予約」のアップデートを検討しています。例えば、来店予約だけでなく、来店予約をされたお客さまの「購入金額」や「来店回数」に応じてポイント数を加算するなども実現できればと考えています。
また、これからは「お客さまを選ぶ時代」ではなく「お客さまに選ばれる時代」です。お客さま一人ひとりに満足いただける接客を提供するためにも、全国の店舗で STORES 予約 を導入し、今後も店舗のスタッフと共に高品質のサービスを届けていきたいですね。