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更新日
2025-09-24

古着屋の開業には何が必要? 手順や資格、初期費用を押さえて計画を

STORES マガジン編集部
古着屋の開業には何が必要? 手順や資格、初期費用を押さえて計画を

「将来、古着を扱う店を開きたい」と考える人は少なくないようです。しかし、古着が好きでも店を開くとなると、何から始めればよいか分からない人も多いのではないでしょうか?

本記事では、古着屋の開業に必要な資格や、開業までの流れを解説します。

古着屋を始めるファーストステップ

古着屋を始めるにあたっては、まず必要な資格を取得し、店のコンセプトを決める必要があります。ファーストステップが重要となるので、具体的な準備を始める前にしっかりと理解しておきましょう。

「古物商許可」を取得する

古着屋を開業するには都道府県公安委員会が所管する『古物商許可』の取得が必要です。古物商許可は衣服を含む中古品を販売する場合に、取得が義務付けられています。

実店舗を持たずネットショップで古着を売りたいと考えている人も、必ず申請が必要になるので注意しましょう。ネットオークションやフリーマーケットなどで、継続的に中古の物品を販売するケースでも、許可が必要です。

また申請してから許可がおりるまで、1カ月以上かかる場合も少なくありません。開業日を設定したら、それにあわせて早めに許可申請を出しておくとスムーズです。

『古物商許可申請書』に必要事項を記入し、その地域を管轄する警察署に提出しましょう。申請書は警視庁のWebサイトからもダウンロードできます。

ただ、警察署によって書類の内容が変わってくる可能性もあるため、あらかじめ該当する警察署に確認しておくと安心です。

また、提出書類と一緒に、古物商許可の手数料として19,000円の納付が必要です。忘れないように気をつけましょう。

参考:警視庁「古物商許可申請」(2025年8月)

店舗のコンセプトを定める

古着屋の開業を思い立ったら、店舗のコンセプトを決めましょう。コンセプトとは『誰に』『何を』『どのように』など、経営の方針の軸になる方向性です。

扱う古着も価格帯も、実店舗かネットショップかの区別でさえコンセプトによって変わります。まずは、自分がどのような目的で古着屋を始めたいのか確認してみましょう。

目的を実現できるように、ターゲットとするお客さまや店舗の様子をイメージします。軸が定まっていないと長期的な戦略も立てられなくなるため、計画段階でしっかりと方向性を固めておきましょう。

取り扱う古着の種類を決める

一言で『古着』といっても、多くのタイプがあります。店舗のコンセプトや利用者のニーズにあわせて、実際に取り扱う古着の種類を決めましょう。具体的にはタイプごとに、次のような売り方が考えられます。

  • ブランド物の古着:知名度の高いブランドの古着を比較的手頃な価格で提供
  • 希少性の高い古着:プレミアの付いたヴィンテージ物を提供
  • ファッション性の高い古着:店主が自らのセンスを生かしておすすめの古着を売る
  • とにかく安さが売りの古着:さまざまな種類の古着を安く売る

いずれのパターンも、すでに多くの古着屋が存在しています。自分の扱いたい古着のジャンルと利用者のニーズを考えた上で、扱う古着の種類を決めましょう。

紹介した種類以外にも、コンセプトによって複数の切り口が考えられます。ほかの店舗では扱っていない古着の開拓や独自の付加価値を考えることで、競合との差別化になるでしょう。

仕入れ先が重要

古着屋の開業において、もっとも重要なポイントのひとつが仕入れ先の選定です。良質な古着を安定して仕入れることができなければ、店舗の魅力や売り上げが減少してしまうでしょう。

信頼できる仕入れルートを確保し、トレンドや顧客ニーズにあわせたアイテムをそろえることが成功への大切なプロセスです。

古着の仕入れ先は日本国内と海外の2つのパターンがあり、それぞれ特徴とメリットがあります。

日本の場合

日本国内での古着仕入れは、業者市場や業者オークションの利用が一般的です。とくに都心部は古着の卸業者が多くあり、市場が定期的に開催されているため、まとまった量を安定的に仕入れることが可能です。

また、個人からの買い取りやリサイクルショップからの仕入れも挙げられます。国内での仕入れは品質確認やトラブルの際に対応しやすく、初心者にもおすすめです。

海外の場合

海外からの古着仕入れは、アメリカやヨーロッパなどの大規模な古着市場を利用する傾向にあります。現地まで赴いて買いつけをおこなったり、信頼できるバイヤーや業者に依頼したりする方法があります。

海外仕入れは、日本では流通していない珍しいアイテムやブランドを手に入れられる点が最大の魅力です。ただし、仕入れコストや輸送費、手続きなどの難易度が高まるため、事前のリサーチや現地企業との信頼関係の構築が重要となるでしょう。また、関税や法的な規制にも注意が必要です。

古着屋の開業にかかる初期費用

古着屋の開業に必要な費用も、本格的な準備に踏み切る前に確認しておきましょう。実店舗を構える場合はテナントや設備だけでなく、古着の仕入れ費用や人件費・宣伝費なども考えなければいけません。

初期費用の目安としては、全体として400万~600万円程度は見込んでおく必要があるでしょう。内訳となる項目ごとに詳細を解説します。

店舗を取得する費用

初期費用の中でも、特に負担の大きいのが店舗物件の取得費です。古着屋に限らず店舗型のビジネスには立地が重要であるため、実店舗で古着を販売するなら物件選びに時間をかける必要があります。

店舗のコンセプトにあったエリアの中で、お客さまが来やすい立地や間取りの物件がないか不動産会社に確認してみましょう。

物販用のテナントであれば、賃貸料と保証金などをあわせると初期費用として200万~300万円ほどかかる場合が多いでしょう。ただし、エリアやテナントの広さによっては、100万円程度で借りられる可能性もあります。

エリアの選び方

古着屋を開業する際のエリア選びは、店舗の集客力や将来的な売り上げに直結する重要な要素となります。ターゲットとする顧客層を明確にし、その層が多く集まる街やエリアを選ぶことがポイントです。

たとえば、学生や若者をターゲットにする場合は、大学周辺やファッション感度の高い繁華街がおすすめです。また、既存の古着屋が集まるエリアも、古着好きのお客さまが集まりやすく、有力な候補地となります。

一方で競争も激しくなるため、競合店との差別化が大切です。出店エリアは予算とのバランスをとりながら、慎重に選びましょう。

SNSによる集客も可能ですが、リアル店舗の立地がもたらす「ついで買い」の獲得効果は大きいため、開業前にしっかりとリサーチすることで成功のカギとなります。

古着を仕入れる費用

古着屋を始めるには、商品となる古着を大量に仕入れなければなりません。取り扱う古着の分野や店の規模によって、仕入れにかかる費用は大きく変わってきます。一概に開業時の仕入れ費用はいくら、とはいえません。

大量の古着を安く提供する店の場合は、常時1,000着以上の古着をストックしておく必要があるでしょう。

高級ブランド品を古着として提供する店舗であれば、それほどストックがなくても運営は可能です。それでも在庫切れを起こさないように、初期段階からある程度の仕入れは必要です。

仕入れ先としては、ネットオークションやフリーマーケット・お客さまからの買い取りなども考えられます。しかし、店主自らが商品の買い付けをするなら、仕入れ先までの交通費や商品の輸送費なども考慮する必要が出てくるでしょう。

備品の準備にかかる費用

古着屋はほかの店舗の販売業に比べて、多くの設備や什器は必要ありません。しかしディスプレイ用の什器や鏡など、衣服を売る店として最低限の設備は必要になるでしょう。試着室もあったほうがお客さまにとってはありがたいはずです。

開業時点では服のディスプレイに必要な什器のみ購入し、必要に応じて備品をそろえていくのがよいでしょう。店舗である以上レジも必要ですが、近年ではモバイル端末をレジ代わりにして設備費用を浮かせる手段もあります。

オンライン決済に対応したサービス『STORES 決済(ストアーズ決済)』なら、スマートフォンやタブレットで店舗のキャッシュレス化に対応できます。各種電子マネーやQRコードによる決済も備えながら、初期費用や固定費がかからないリーズナブルさが魅力です。

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人件費や宣伝費

店舗スタッフを雇う場合は、採用にかかる費用や人件費も負担する必要があります。求人募集だけでも10万円以上かかる場合が多く、スタッフが決まるまでは継続的に求人掲載費用も必要になるでしょう。

また、店舗の宣伝費用も考えなければいけません。例えばチラシを作成する場合、デザインから印刷まで業者に依頼するなら、デザイン費用だけで2万~8万円程度・印刷費用は1枚当たり5~15円程度かかります。

地元の情報誌やフリーペーパーに店舗の情報を掲載するケースでも、相応の費用を負担しなければいけません。

そこで、近年は自分でWebサイトを制作したり、ブログやSNSを活用して集客したりする方法が一般的になってきています。特にSNSは費用をかけず多くの人に店舗の存在を知ってもらえるので、積極的に活用したい媒体です。

開業までに済ませたい手続き

古着屋を開業するまでには、必要な手続きを踏まなければいけません。資金準備から事業計画書の作成・税務署への開業届の提出まで、流れを確認しておきましょう。

資金準備と事業計画書の作成

店舗の規模や取り扱う古着のジャンルにもよりますが、古着屋の開業には400万~600万円程度の初期費用がかかるといわれています。

自己資金で足りない分を金融機関や自治体などから融資・補助してもらうためにも、『事業計画書』の作成が必要です。

事業計画書には店舗のコンセプトや売上目標・対象となるお客さまといった要素を記載し、できるだけ詳細に収支計画を立てます。店舗経営において起こり得るリスクと対処法に関しても、しっかりと計画に落とし込みましょう。

資金の融資を申し込む先として、第一選択となるのが『日本政策金融公庫』です。中小企業への小口融資を積極的におこなっており、新規に開業する人への融資制度も設けています。

ある程度の自己資金は必要になるため準備しておきましょう。要件は時期によって変わる可能性があるため、公式ホームページから詳細を確認して申し込みます。

参考:日本政策金融公庫「融資制度一覧から探す」(2025年8月)

開業届の提出

個人でおこなう古着屋の営業には、『古物商許可』の取得だけでなく『開業届』も税務署に出しましょう。届け出なくても罰則はないものの、個人事業主としてビジネスを始めるときは提出が義務付けられています。

開業届を出しておけば税制上のメリットがある『青色申告』が可能になります。さらに屋号による銀行口座を作成できるため、収支管理にも便利です。

開業してから1カ月以内に、店舗のある地域を管轄する税務署へ開業届を提出しましょう。開業届の用紙は税務署でもらえるほか、国税庁の下記ホームページからもダウンロードできます。

参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(2025年8月)

古着屋で収益を上げるには?

古着屋を開業して安定した収益をあげるためには、単に商品をそろえるだけでなく、店舗運営や販売方法にも工夫が必要です。ターゲットや立地、仕入れ、プロモーションなど考慮すべき点は多岐にわたります。

下記の表では、古着屋が収益アップを目指すために意識したい重要なポイントを、具体的にまとめました。

ポイント 内容
商品ラインナップの充実 ・幅広いジャンルや年代の商品をそろえる
・トレンドや季節にあった古着を仕入れる
独自性・コンセプトの強化 ・他店と差別化できるコンセプトや世界観を打ち出す
・SNSを活用した発信
価格設定の工夫 ・仕入れコストと市場価格を見極めた適正価格を設定する
・お得感や特別感のあるセールやキャンペーンを実施する
オンライン販売の導入 ・実店舗だけでなく、ネットショップやフリマアプリを活用して販路を増やす
店舗レイアウトと接客力の向上 ・見やすく手に取りやすい陳列や丁寧な接客
定期的なイベントや仕掛け ・ポップアップやコラボレーション、限定商品を販売するイベントなどの実施

ネットショップを利用

ネットショップを活用することで、固定費を大幅に抑えながら、全国に向けて販路を拡大することが可能です。ネットショップは、家賃や人件費などのコストを抑えられ、スモールスタートで始められる点が大きなメリットといえます。

また、SNSでの情報発信や広告を組みあわせることで、より幅広い層にアプローチでき、実店舗だけでは難しい遠方のお客さまも取りこむことが可能です。コストを抑えつつ収益性を高めたい方は、オンラインショップの活用を検討しましょう。

STORES ネットショップ なら、テンプレートや豊富なカスタマイズ機能で、こだわりのネットショップを直感的に作成することができます。STORES レジ と連携すれば、実店舗とネットショップの商品在庫を一元管理することが可能です。STORES レジとの連携の詳細については、こちらをご確認ください。

商品のコンセプトやジャンルを明確にする

古着屋の収益を高めるには、取り扱う商品のコンセプトやジャンルを明確に設定することが重要です。たとえば「アメカジ専門」「ヴィンテージ中心」「レディース限定」など、ターゲットを絞った店舗は個性が際立ちやすく、お客さまの支持を得やすくなります。

明確なコンセプトはリピーターの獲得や口コミ拡大につながり、他店との差別化を図るうえで大きな強みとなります。ターゲットや取り扱いジャンルを明確にすることで、仕入れやプロモーションの方向性も定まり、効率的な店舗運営が可能となるでしょう。

費用を抑えるならネットショップがおすすめ

古着屋の店舗を開業するには、店舗の取得費用や設備費用など多くの資金が必要になります。

開業資金を抑えたいなら実店舗ではなく、ネットショップの開業がおすすめです。ネットショップのメリットと、できるだけ低コストで開業するコツを紹介します。

ネットショップのメリット

近年はインターネットで古着を販売する事業主も増えています。ネットショップには店舗型の古着屋と比べ、次のような点がメリットです。

  • 実店舗を持たないため、物件にかかるコストを削減できる
  • スタッフを雇わなくても営業できるようになり、人件費の削減になる
  • 24時間365日、古着を購入してもらえる可能性がある
  • オンラインでの集客がしやすい

インターネットだけで古着を販売するなら、店舗の取得費やテナント料・内装にかかる費用を丸ごと削減できます。

また、実店舗に比べてスタッフの数が少なくて済むので、人件費の削減につながるでしょう。事業主一人だけでも店舗の運営が可能です。

店舗と違って営業時間を気にせず、購入される機会を増やせるのは大きな魅力でしょう。インターネット広告やSNSなどオンラインの媒体と連携しやすい特性から、集客を効率化できるというメリットもあります。

「古着屋を始めたいけれど、どうしても開業資金が足りない」という人は、ネットショップから始めるのがおすすめです。

STORES ネットショップ を導入した古着屋の事例

ネットショップの構築には相応の知識やスキルが必要となるため、ネットショップの構築パッケージを活用したり、専門業者にショップの構築を依頼したりするのがおすすめです。

ネットショップの構築パッケージは数多くのサービスが提供されています。中でも『STORES(ストアーズ)ネットショップ』なら、専門知識がなくてもASPカート型のショップをかんたんに開設できます。

STORES ネットショップ は運営に必要な機能が無料で利用でき、商品登録数も無制限となっているのが特徴です。実店舗と組みあわせて、STORES ネットショップ を使った運営に取り組んでいる人も少なくありません。

たとえば、東京の本郷でヨーロッパのヴィンテージアイテムを取り扱っている『Sirturday』では、コロナ禍を機に STORES を使ったネットショップも開店しました。

全国に商品を販売できるようになり、店舗全体の売り上げの10%をネットショップから得られるようになった事例です。

参考:STORES 導入事例「Sirturday」(2025年8月)

しっかりと計画を立てて開業準備をしよう

古着屋を始めるには、店舗型でもネットショップでも『古物商許可』を取得しなければいけません。申請から許可がおりるまでの期間も計算に入れ、できるだけ早く管轄の警察署に申請しましょう。

店舗の開業には店を取得するための費用に加えて、仕入れや備品の費用や人件費・宣伝費なども考える必要があります。自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫からの融資をはじめとした資金調達が必要です。

店舗型にするかネットショップにするかは、コンセプトや用意できる開業資金から決めておきましょう。費用を抑えて古着屋を始めたい人には、ネットショップからのスタートがおすすめです。

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