毎月10,000件のショップがお商売を始めている STORES(ストアーズ)には、個性豊かなショップオーナーさまがたくさんいらっしゃいます。
今回は、東京・本郷三丁目にお店を構え、ヨーロッパ各国のヴィンテージアイテムを取り扱っている、Sirturday(サータデー) オーナーの今井さまにお話を伺いました。
フランスやイギリスだけでなく、フィンランドやスウェーデンをメインとした北欧など、ヨーロッパ各国のヴィンテージアイテムを取り扱っているお店です。
北欧ヴィンテージは家具や食器が多い中、衣類を多く取り扱っているのは珍しいかなと思っています。
また、今までにスペイン、ポルトガル、ギリシャ、イタリアなどいろんな国へ旅した経験もあるので、洋服の話だけでなく現地での話も楽しんでもらえてるのかなと思いますね。
もともとファッションが好きでしたが、古着屋さんをやりたいという気持ちはなかったんです。でも、学生の時にヨーロッパや、いとこが住んでいるシアトルへ訪れたときに、蚤の市へ行ったり、アンティークモールに行ったりして、掘り出し物を探すのが楽しいという感覚はありました。
大学卒業後、アメリカへ留学。語学学校へ通っていましたが、ただ語学を学ぶだけでなく、たくさんのことを経験したいと思っていたので、転校が自由な学校の制度を利用し、ポーランドやシカゴなどいろんな場所へ行きました。
その制度で最後に訪れたのがボストン。いろいろ回る中で老舗の古着屋「Bobby from Boston(ボビーフロムボストン)」に出逢います。
初めて入ったときに、古着屋さんの概念を越えたというか、お店の広さや、取り扱っているアイテム、世界観にとてもワクワクしたんです。なんとかして働くことができ、3年半ほど働きましたが、そこから自分でもこういったお店を作りたいと思うようになりました。
Bobby from Boston で働いていたとき、オーナーのボビーとイギリスなどのヨーロッパへ買い付けに行こうと話をしていました。そんな矢先、ビザの関係で日本に帰らなければいけなくなり、アメリカにもしばらくいけなくなってしまったんです。
ずっとアメリカにいるつもりだったのでショックでしたけど、もしかしたらヨーロッパの風が吹いているのかもと思って、気持ちを切り替えヨーロッパへ買い付けに行っていました。
当時、おもしろいものがあるという情報を聞きベルギーへよく行っていたのですが、古着を見ているとフィンランド製が多いことに気づいたんです。いろいろ見ているうちに、北欧ヴィンテージアイテムをおもしろいなと思い、実際に足を運ぶようになりました。
北欧ヴィンテージアイテムは、すごく古着が好きって人じゃなくても好んでもらえるし、今のアイテムや日本のものにも合うなと感じ、どんどん北欧ものが増えていった気がします。
コロナウイルス感染拡大がきっかけです。
今までも、ネットショップを作った方がいいなと思ってはいたのですが、ネットショップに対して消極的だったんです。
僕は、お店やイベントで対面でのコミュニケーションを取る商売スタイルが好きですし、古着は1点もので使用感のあるものもあります。そのため、自分のお店はネットショップには向いていないという気持ちがありました。
しかし、コロナウイルスの影響で、店舗の休業要請や蚤の市などのイベントがことごとくなくなってしまい、状況的に思い腰を上げてネットショップを始めました。
実は、何回か来てくれた近くに住んでるお客さまが、STORES で働いているようで声をかけてもらっていたんです。
僕は、人の繋がりを大事にしているので、ネットショップを作るなら STORES でと決めていました。もちろん、一応他社のサービスも見比べましたよ。
店舗営業ができない中、どうにかして商売を続けないといけないという時間に迫られる状況でもあったので、必要最低限の機能があってリスクも高くなく、かつ見え方も悪くない物を求めていました。
購入していただけるお客さまが、買いやすければなという気持ちでしたね。
お客さまとのトラブルや、使用していて不自由なこともなく、作ってよかったなと思いました。最初は使い方で分からないこともありましたが、問い合わせをするとすぐ回答をいただけたのもよかったです。
今、週4日しか店舗を開けていないのですが、営業時間外でもお客さまに商品を見ていただける状態があるのもいいなと思いました。
イベント出店ができない中、地方からの注文もあったりして、去年の売り上げのうちの10%はネットショップだったんです。蔑ろにできないなと思いました。笑
あまりにも使用感の強いものや1点ものはなるべく掲載せず、デッドストックなど年代物だけど状態のいいものや数のあるものをセレクトして掲載しています。
また、商品画像では、脚色しすぎず、伝わりやすいことを意識して撮影を実施。光の加減を意識して、家の一角で撮影しているんです。
着画をもっと増やした方がいいのかなとも思いますが、僕がレディースを着ることは難しいので、頑張りすぎず、程よいバランスで掲載していこうと思っています。
洋服の柱はブレずに、常に新しいことをしたいと思っています。
一番近い目標だと、ヴィンテージアイテムの販売のほかに、ゲストハウスやカフェを併設させた、国内外の多様な人が集まる空間を作りたいです。
あとは、以前のように地方のイベントに出店して巡業も。ワーケーションという言葉を聞くようになりましたが、仕事や休暇も兼ねて1週間くらいそこに住むような、そんな生活がしたいです。
リスクは高くないし、操作も難しくないですし、まずはやってみたほうがいいと思います。
やってみて見えてくるものもある。やらない理由はないんじゃないかなと思いますね。
文、写真:STORES Magazine編集部