更新日
2025-07-01

クレジットカード決済の手数料はどのくらい?利用者と店舗側それぞれに解説!

STORES Magazine編集部
クレジットカード決済の手数料はどのくらい?利用者と店舗側それぞれに解説!

2018年4月に経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン(※1)」を策定し、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度に引き上げる目標を設定するなど、政府がキャッシュレス決済を後押しする流れもあり、近年は導入店舗も増加してきています。また、買い物の際にクレジットカード決済を希望するお客さまが増え、導入を検討している事業者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、クレジットカード決済には手数料がかかると聞くし、いまいちメリットがわからないという方のために、手数料の詳細や導入メリットについて解説します。

※1 参考:経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」(2018年4月)

クレジットカード決済の手数料とは?

クレジットカード決済で発生する手数料について理解するために、まずはクレジットカード決済の仕組みを把握しておきましょう。クレジットカード決済は、以下の流れでおこなわれます。

  1. 利用者が加盟店で買い物をしてクレジットカードで支払いをする
  2. 利用者の買い物情報がクレジットカード会社に届く
  3. 届いた情報をもとに、クレジットカード会社が加盟店に代金の立て替えをおこなう
  4. クレジットカード会社が利用者の銀行口座から立て替え分を引き落とす

また、利用者と加盟店に請求する手数料は、それぞれ性質が異なります。

  • 利用者が払う手数料:3回以上の分割払いやリボ払いを選択した際に発生。代金に上乗せして請求する。
  • 加盟店が負担する手数料:クレジットカード決済するたびに発生。加盟店に対しては、代金から手数料分を差し引いて振り込む。

加盟店が払う決済手数料は、お客さまが負担する商品やサービスの価格に上乗せすることはできません。店舗の負担となるため、決済手数料によって赤字にならないよう、値付け時に注意する必要があります。

店舗側の決済手数料

店舗側がカード会社に支払う決済手数料は、業種や契約条件によって異なりますが、一般的に3~10%程度に設定されています。

  • 飲食店:3~5%ほど
  • 小売店:3~4%ほど
  • コンビニ・大型チェーン店:1~2%

大手企業やコンビニ・大型チェーン店などの取引金額が高い企業は、カード会社と交渉し、手数料をおさえることも可能です。一方、取引量が多くない小規模店などは交渉が難しく、手数料が高めになります。

しかし、近年は STORES のような、決済代行会社に依頼する方法も誕生し、手間をかけずに複数ブランドを一括導入できるようになりました。また、POSレジや決済端末は、2025年3月に発表された「新プランの「スタンダードプラン(月額3,300円/税込)※」を利用すれば、実質無料で導入できるので、気になる方はチェックしてみてください。
※関連ページ:お店のいろいろ、ストアーズで:レジ・決済・ネットショップ・予約・会員管理・データ活用を、月額3,300円と驚きの決済手数料で。

利用者負担の手数料

クレジットカード決済では、利用者側も手数料を支払う必要があります。クレジットカード会社によっても手数料の金額(料率)は異なり、さまざまな種類があるため、それぞれどういったものかしっかり理解しておきましょう。

分割払いの手数料

分割払いとは、商品やサービスの代金を複数回に分けて毎月一定額を支払う方法です。デジタル機器などのガジェット、家具、車など高額なものを購入するときによく利用されています。

分割回数は、カード会社が定める「3回・6回・10回・12回」などの範囲のなかから、希望する回数を選ぶことができ、24~36回が上限となることが多いです。ただし、一部の高額商品では、48回以上に対応していることもあります。

分割払いを選ぶと、支払い残高に応じて年率12~15%程度の手数料が発生します。
「10万円の店舗設備が月々わずか4000円で買える!」と思っても、長期の分割払いを選ぶと手数料が積み重なり、結果的に大幅に高い金額を支払うことになりかねません。分割払いは便利な方法ですが、計画的に考えて活用することが大切です。

リボ払いの手数料

リボ払いとは、利用者が代金を毎月同じ額ずつ返済する方法です。毎月の支払額を一定にしながら高額な買い物をしたいときによく使われます。
残高が減りにくいため手数料の総額も多くなりがちで、総支払い額が膨らむ傾向があり、毎月一定額を支払い続けるため、利用額が把握しにくい点もネックです。

事業者の場合、業務用設備の購入で高額なものを購入することもあるでしょう。1回あたりの返済額が安価であることで、気軽に使いすぎると多額の借金を背負うことになりかねません。利用にあたっては十分な注意が必要です。

キャッシング・ローンの手数料

キャッシングやカードローンは、買い物の代金を立て替えてもらうのではなく、クレジットカード会社から直接お金を借りる方法です。ATMにて利用できるため、クレジットカードが使えないお店や、不意の出費でまとまった金額が必要になったときなどに便利です。

ただ、金利が年率で15~18%ほどと高いため、注意が必要です。できれば一括で返済し、分割にする場合も短期間で返せるようにしましょう。なお、キャッシングやカードローンの場合は、一括でも利息が発生します。

年会費

クレジットカードには、年会費の支払いが必要なものと不要なものにわかれます。おおまかに、以下のような傾向にあります。

カードの種類 特徴
一般カード
  • 年会費は無料や低額
  • 基本的な決済機能のみで、特典や付帯サービスは限定的
ゴールドカードやプラチナカード
  • 年会費が高額になる傾向
  • 空港ラウンジが無料で利用できる、特別な優待サービスがあるなど特典が豊富

カードを全く使わなかったとしても、年会費は支払う必要があるため、あまりクレジットカードを使う機会がない人は、年会費無料のカードがよいでしょう。

ただ、年会費がかかるクレジットカードは、付帯サービスや特典が充実している傾向があるため、 しっかりと比較検討した上で、どのクレジットカードを使うか決めましょう。

遅延損害金

遅延損害金とは、クレジットカード会社からの請求額を指定の期日に返せなかったときに発生する手数料のことです。遅延損害金は以下の計算式で算出されます。年率14.6%ほどが一般的で、法的な上限は20%です。

  • 未払い金額 × 遅延損害金の年率 ÷ 365日 × 延滞日数

滞納したままでいると信用情報にも悪影響を及ぼすことがあるため、速やかに支払うようにしましょう。

信用情報とは、クレジットやローンの利用に関する情報のことで、信用情報機関に記録されています。長期間の滞納で履歴が傷つくと、クレジットカードの更新や新規作成ができなくなったり住宅ローンや自動車ローンの審査に影響を及ぼすおそれがあるため、毎月の返済を滞納しないように注意しましょう。

マークアップフィー(海外利用手数料)

マークアップフィーとは、日本で発行されたクレジットカードを海外で使用する際に発生する手数料です。現地通貨での決済額を日本円に換算する必要があるため、そのコストを補う名目で設定されています。

ブランドによってマークアップフィーは異なりますが、およそ利用金額の1.6~2.2%ほどです。たとえば、海外で現地通貨換算で1万円のものを購入してクレジットカード決済した場合、200円ほどの手数料が発生します。いくらになるかは、利用するクレジットカード会社で確認しておきましょう。

海外の空港や銀行で日本円を現地通貨に換算すると手数料が5~10%かかることも多く、マークアップフィーがかかってもクレジットカード決済のほうが安くなることが多いです。

クレジットカード決済を導入するメリット

決済手数料がかかるというデメリットに目がいきがちですが、クレジットカード決済を導入するとさまざまなメリットもあります。
ここでは、とくに重要な3つのポイントをご紹介します。

顧客増加

クレジットカード決済を導入するもっとも大きなメリットとして挙げられるのが、顧客増加です。経済産業省の調査によると、2018年におけるクレジットカードの決済比率は21.9%でしたが、2022年には30.4%まで上昇しており、この数年でクレジットカードの普及が大きく進んでいることが分かります(※2)。支払いの選択肢を増やすことで、多くのお客さまが購入できるチャンスを提供することができると言えるでしょう。

また、海外旅行者の集客効果も期待できます。海外からの観光客は両替の手間から、クレジットカードで払いたいと考えるケースは少なくありません。盛り上がり続けるインバウンド需要に対応できるのは大きなメリットです。

※2  参考:経済産業省「2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

購入単価が上がる

現金のみの場合、消費者は手元にあるお金の範囲内でしか購入できません。仮に、手持ち資金を超える商品やサービスを見つけて購入を検討しても、その場では支払えないこともあるかもしれません。

しかし、クレジットカードが使えるお店であれば、分割払いやリボ払いなどの選択肢が増えるため、高額の商品が購入しやすくなるなどの効果が得られます。

実際に、公正取引委員会による調査(※3)で「決済方法別の使用機会」をたずねたところ、「店舗で高額な買い物をするとき」はクレジットカードを使用すると答えた人の割合は85.3%に上りました。

※3 参考:公正取引委員会「クレジットカードの取引に関する実態調査報告書」(2025年3月時点)

売上管理の負担軽減

クレジットカード決済を導入すると、現金の取り扱い量が減るため、レジ締め作業や売上管理の負担が大きく減ります。カード決済の代金は、カード会社からまとめて支払われ、明細も届くため、現金をカウントする必要がありません。

また、お会計時に、お釣りなどのやりとりがない分、現金決済に比べて工数も少なく、従業員の負担軽減につながります。

信頼性を示す

クレジットカード決済の導入には、カード会社や決済代行会社の審査を通過する必要があるため、カードが利用できる店舗というだけで信頼性を示すことができます。また、クレジットカードは支払いトラブルや不正利用時に補償される制度もあるため、安心して高額なお買い物をしていただけます。

関連リンク:クレジットカード決済の仕組みとは?導入メリットや費用、契約方法など基礎知識を解説

クレジットカード決済の手数料でよくあるQ&A

決済手数料分の金額を、商品やサービスに上乗せ可能?

どのクレジットカード会社でも、規約によって手数料の上乗せを禁止しています。

規約違反が発覚すると、加盟店から除外されてクレジットカード決済ができなくなる可能性があるため、上乗せはやめましょう。

ランチタイムのカード決済不可は違法?

低価格でランチを提供しており、クレジットカード決済に応じたくない場合もあるかと思います。法律的な問題はないものの、「特定の時間帯にカード決済を制限してはいけない」としているカード会社も多く、加盟店規約違反になるおそれがあるため、避けましょう。

まとめ

クレジットカード決済は、支払いごとに決済手数料がかかります。しかし、海外旅行者を含むクレジットカード決済を希望するお客さまの取りこぼしを防いだり、店舗側もレジ作業の負担を軽減できるなど、お客さまにとっても事業者にとってもさまざまなメリットがある決済手段です。これを機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※2025年3月時点の情報を参考にしています。最新の情報は、各サービス会社のウェブサイトをご確認ください

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