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更新日
2025-09-24

CPMとは?計算方法やメリット・デメリットについて解説

STORES マガジン編集部
CPMとは?計算方法やメリット・デメリットについて解説

CPM(Cost per Mille)は、広告が1,000回表示されるたびに費用が発生する指標として、多くのWeb広告で採用されています。特に、商品やサービスの存在の認知を拡大したい場合に有効です。

この記事では、CPMの意味や計算方法、他の指標との違い、ユーザーへの効果を高める方法まで、ビジネスに役立つ視点で解説します。

CPMとはどのような費用?

CPMは「Cost per Mille」の略称で、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を示す指標です。

Web広告では、ユーザーに広告が表示されるたびにインプレッションとしてカウントされ、それが1,000回に達するごとに一定のコストが発生します。日本語では「インプレッション単価」と訳される場合もあります。

この課金形式は、広告がクリックされるかどうかにかかわらず、表示そのものに対して費用が発生するのが特徴です。語源となっている「Mille(ミル)」は、ラテン語で「1,000」を意味し、CPMが表示回数を基準に費用を計算する考え方に由来しています。

CPMを把握すると、同じ広告費でどれだけ多くのユーザーにリーチできているかを可視化することが可能です。商品の知名度を上げたい段階の広告キャンペーンでは、CPMを指標として運用すると、広告配信のコスト効率や効果をはかる判断材料として役立ちます。

CPMの計算方法とは

CPMは、以下の式で計算できます。

CPM = 広告掲載費用 ÷ 広告表示回数 × 1,000

たとえば、20万円の広告費でWeb広告が100万回表示された場合、「20万円 ÷ 100万回 × 1,000 = 200円」と計算でき、CPMは200円となります。

この計算式からわかるとおり、CPMの値が低いほど同じ費用でより多くのユーザーに広告を表示できるため、効率がいいといえます。そのため、広告配信後にはCPMの上下を分析し、必要に応じて改善することが重要です。

ただし、CPMは1,000回あたりの単価という方式上の指標であり、実際には1,000回未満の表示でもその割合に応じて費用が発生する点に注意しましょう。

CPMを把握しておくことで、一定の予算でどの程度のインプレッション(広告表示回数)を獲得できるかの見積もりが立てられます。Web広告の費用対効果を計画・評価する際の参考指標としての活用も可能です。

CPMの単価の相場

一般的なWeb広告のCPM単価は媒体によって異なりますが、10円~500円程度がひとつの目安です。

たとえば、Facebook広告ではCPMが約200~800円、Instagramでは約150~600円、TikTokでは約400~650円といった幅で推移する場合があります。

広告の掲載面(ディスプレイか動画かなど)やターゲットの広さ、競合状況によっても単価は変動する点を押さえておきましょう。

CPMと似た言葉の違い

CPMと名称や意味が似ている広告指標がいくつか存在するため、正しく理解しておかないと思わぬ勘違いをする可能性があります。それぞれの指標が何を意味するのかを把握し、適切に使い分けられるようにしましょう。

eCPMとの違い

eCPM(effective Cost Per Mille)は、CPM課金以外の広告をCPMに換算した指標です。日本語では「実質的なCPM」とも呼ばれ、CPC課金など別の課金形態で配信した広告について「1,000回表示あたりどれくらい費用がかかったか」を算出する際に使われます。

計算式はCPMと同じで、広告費を表示回数で割り1,000を掛けて求められます。計算すると、異なる課金方式の広告同士でも費用対効果の比較が可能です。

たとえば、クリック課金の広告で1クリックあたり300円、広告表示5万回で400クリックあった場合、(300円×400回)÷50,000回×1,000=2,400円となり、この値がeCPMに相当します。

vCPMとの違い

vCPM(viewable Cost Per Mille)は、広告がユーザーの目に実際に触れた1,000回ごとの費用を示す指標です。

一般的なCPMでは、広告が読み込まれた時点でインプレッションと見なされ、たとえユーザーが閲覧する前にページを離れたり、スクロールして見逃したりしても課金の対象になります。

広告の多くが実際には視認されていないといわれるなかで、このギャップを埋めるために登場したのがvCPMです。

vCPMでは、広告がユーザーの画面内に一定時間以上表示された場合のみ、インプレッションとしてカウントされます。たとえば、Googleでは、広告の50%以上が1秒間以上表示されたときに「視認された」として計上されます。

CPCとの違い

CPC(Cost Per Click)はクリック単価とも呼ばれ、広告がクリックされた回数に応じて発生する必要です。費用は「広告費 ÷ クリック数」で算出され、50万円で5,000クリックを得た場合、1クリックあたりの費用は100円です。

CPMが表示された回数をもとに費用が発生するのに対し、CPCは実際にユーザーがクリックした回数に基づいて課金されます。つまり、広告が何度表示されてもクリックされなければ費用はかからないのがCPC、反対にCPMでは表示された時点でコストが発生します。

認知拡大を目的とする場面ではCPM、成果やアクションを重視する場面ではCPCが有効です。どちらを選ぶかは、広告の目的に応じて判断する必要があります。

CPVとの違い

CPV(Cost Per View)は、動画広告が1回視聴されたときの費用を指す指標です。これは1視聴ごとに費用が発生する方式で、「広告費 ÷ 動画の再生回数」で算出されます。たとえば、10万回の視聴で50万円を費やした場合、CPVは5円となります。

CPVでは、何を「視聴」と見なすかが媒体によって異なります。最後まで動画が再生された場合のみ課金、一定秒数(3秒や30秒など)以上再生された場合に課金、再生時間に応じて課金といった方式が存在します。

このように媒体ごとに視聴の基準が違うため、広告出稿前にはそれぞれの条件をしっかり確認しておくことが重要です。

CPM課金のメリットとは

CPM課金は広告の表示回数に応じて費用が決まるため、毎月の予算を見通しやすい点や、1クリックあたりの費用が割安になりやすい点など、いくつかのメリットがあります。

まずは、CPM課金の主なメリットを確認しましょう。

クリック単価が安くなりやすい

CPM課金は広告が何回クリックされても費用が変動しないため、広告のクリック率が高い場合は1クリックあたりのコストが割安になる傾向があります。

たとえば、CPMが200円でCTR(クリック率)が1%の場合、CPM課金の1クリックあたり費用は約20円ですが、CTRが2%なら10円ほどと半額になります。

一方で、CPC課金方式はクリック率が2倍になっても、1クリックあたりの単価自体は変わらないため、クリック率が高い広告ほどCPM課金の方が費用対効果に優れるといえます。

予算がコントロールしやすい

CPM課金では広告の表示回数に応じて費用が決まるため、表示回数や入札額を大きく変えない限り広告費は安定し、急激に増減することはありません。

CPC課金の場合は、SNSで広告が拡散されてクリック数が想定以上に伸びた場合などに、請求額が跳ね上がるリスクがあります。

CPM課金なら表示回数ごとの固定費用なのでその心配がなく、毎月の広告予算を立てやすくなります。広告費用の変動が少ないため、計画的に予算を管理しやすい点がCPM課金のメリットです。

CPM課金のデメリットとは

CPM課金は効率的な広告運用を可能にする一方で、費用やユーザーへの効果に関して注意すべき点もあります。

ここでは、見落としがちなデメリットを解説します。成果を最大化するためには、リスクを事前に理解し、目的に合った運用方法を選ぶことが重要です。

クリックされないと単価が割高になる

CPM課金の広告は表示回数が最大になるよう配信されるため、ターゲティングが広すぎると興味のないユーザー層にも大量に表示され、クリック率が低下する傾向があります。

たとえば、首都圏限定のサービスなのに全国のユーザーに広告を出稿すると、首都圏以外の人には関係ない広告となり、クリックは低下する可能性があります。

このようにCPM課金では、適切にターゲティングをおこなわないと広告からの流入が少なく、広告費用だけがかさんでしまう点に注意が必要です。

費用対効果がわかりづらい

CPM課金では、ユーザーが実際に広告を見たかどうかを把握しづらい点もデメリットです。

たとえば、記事中の広告をスクロールで飛ばした場合でも、広告が読み込まれた時点で表示回数にカウントされて費用が発生します。

そのため、広告によるブランドの認知度の向上や、自社サイトへの訪問者数の増加といった効果をはかりにくくなるでしょう。

CPM課金とCPC課金の使い分け方

広告の課金方式にはいくつかの選択肢がありますが、その中でもCPM課金とCPC課金は目的に応じた使い分けが重要です。

たとえば、自社の商品やサービスの存在を広く知ってもらいたい場合は、1,000回の広告表示ごとに費用が発生するCPM課金が適しています。より多くのユーザーに広告を届けられるため、認知拡大を目的とするマーケティング施策でよく利用されています。

一方で、広告のクリックをきっかけに自社サイトへ誘導し、商品の購入や資料請求などのアクションを促したい場合は、クリックごとに費用が発生するCPC課金が有効です。成果に直結しやすく、費用対効果を可視化しやすい点がメリットです。

さらに、クリック率をもとに課金方式を判断する手法もあります。一般的にはCTR(クリック率)が0.1%を超えていればCPM課金、0.1%を下回る場合はCPC課金の方が費用を抑えやすいとされています。CTRは広告の質や訴求力をはかる重要な指標であり、運用判断の基準として活用することが可能です。

実務では、CPM課金で広く認知を獲得し、一定のCTRが得られた段階でCPC課金に切り替えて成果獲得を狙う、といった段階的な戦略も有効です。

また、クリック後のユーザー体験まで意識した広告設計も求められるため、訴求内容と一致した動画やページ構成を用意しておくと、費用対効果の最大化につながります。

このように、広告の目的やユーザーの行動指標、媒体特性に応じて最適な課金方式を選ぶことで、より効果的な広告運用が可能です。

CPM課金の効果を向上させる方法

CPM課金で成果を高めるには、ユーザーへの届き方や媒体選びなど、配信方法の最適化が欠かせません。

ここでは、費用対効果を向上させる具体的な方法を紹介します。効率的なマーケティングを実現するためにも、基本的な戦略を押さえましょう。

ターゲティングや配信先を広く設定する

CPM課金は、幅広いユーザーにリーチしたい広告に適した広告方法です。そのため、広告のターゲティングや配信先を広めに設定するとCPM単価が下がり、コストパフォーマンスが高まりやすくなります。

扱う商材にもよりますが、ターゲットを広く設定すれば、より少ない費用で多くのインプレッションを獲得できる可能性があります。ただし、あまりに対象を広げすぎると、肝心のメインターゲットにリーチできない場合も考えられます。

また、広告を掲載する媒体によってユーザーの属性や反応傾向が異なる点にも留意し、媒体ごとの特性に合わせてターゲティングを調整しましょう。

競合が出していない媒体を選定する

競合他社の広告が少ない領域に出稿すると、広告枠の入札競争が緩やかになり、CPMが低く抑えられるため、コストパフォーマンスが高まりやすくなります。

似たような広告がほとんど掲載されない環境であれば、自社の広告が埋もれず目立ちやすいため、CTRの向上も期待できます。

たとえば、競合がSNS広告に集中しているなら、競合があまり出稿していない別のSNSやWeb媒体に広告配信することで、低いCPMで効率よくリーチできる可能性があります。

逆に競合他社が多数出稿している領域に広告を出す場合は、広告のクリエイティブ内容やターゲティング設定を工夫して、他社と差別化を図ることが大切です。

まとめ

広告施策を成功に導くには、目的に応じた課金方式の選択が重要です。ブランドの認知拡大を図るなら、1,000回表示ごとに費用が発生するCPM課金が効果的です。一方、クリックやコンバージョンといった具体的なアクションを狙う場合は、CPC課金が向いています。

また、ターゲティング設定の調整や競合が少ない媒体の活用などで、CPMの費用対効果を高める工夫も重要です。CPMの特徴を正しく理解し、自社に合った課金方式を選ぶと、効率的な広告運用につながるでしょう。

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