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更新日
2025-08-22

店舗分析とは? 手順や成功のポイントを紹介

STORES マガジン編集部
店舗分析とは? 手順や成功のポイントを紹介

経営層の方やマーケティング担当の方、マーケティングを正しくおこなえていますか。マーケティングをうまくおこない商品やサービスを販売するには店舗分析が欠かせません。

こちらの記事では、マーケティングに欠かせない店舗分析について紹介いたします。

店舗分析とは

店舗分析とは、自店舗やお客さまの現状を把握し、今後の施策に活かすために分析をすることです。店舗の売り上げや顧客属性、どのような経路からサービス購入したのか、来店頻度、来店の時間、地域の特性などを把握する必要があります。

店舗分析の3つの種類

店舗の運営や成長には「店舗分析」が欠かせません。
この記事では、店舗分析の主な3つの種類と、それぞれの特徴についてくわしく解説します。

1.顧客分析

顧客分析とは、店舗に訪れるお客さまの年齢・性別・居住地といった属性情報や、購買履歴、来店頻度などの行動データをもとに、お客さまのニーズをしっかりと理解するための分析です。どのようなお客さまに支持されているのか、来店の動機や購買傾向がどのようなものであるかを明確化できます。

顧客分析を的確におこなうことで、提供している商品やサービスとニーズとの差を可視化できるため、施策を効率的に実行することが可能です。その結果、顧客満足度の向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化、売上増加に近づきます。

2.自社分析

自社分析は、店舗自体がもつ強みや弱み、問題点などを可視化するための分析です。

分析項目には、売上推移や商品ごとの販売状況、スタッフスキルなどの「内部要因」と、市場における強み弱みなどの「外部要因」が存在します。

売り上げが伸びている強みとなる商品の特徴や、逆に販売が低迷している弱み要因を掘りさげることで、品揃えや価格設定の見直し、新商品の導入など具体的な改善策が見えてくるでしょう。

自社分析をおこなう際は、主観的な感情や願望入れず、客観的に現状を分析しましょう。難しい場合は、コンサルタントや調査会社への依頼を検討してみるといいかもしれません。

3.競合分析

競合分析とは、自店の周辺にある競合店舗と自店舗の違いを明確にし、施策や戦略を立てるための分析手法です。競合店舗の事業規模や運営状況、顧客層、業界におけるポジションなど、多角的に調査しましょう。

競合他社との違いを理解し、自店の優位性や問題点を明確化することで、さらなる成長や競合優位性の獲得につなげることができます。市場の動向やトレンドの変化を敏感にキャッチするためにも、競合分析は日常的に実施することが重要です。ネット上の情報だけでなく、実際に足を運び目で見て調査することで、より理解を深められるでしょう。

店舗分析は何のためにおこなうのか

店舗分析は、自身の店舗がどういう店なのかを知り、今後のマーケティング施策に役立てるためにおこないます。全体分析やサマリー分析ということもあり、小売業や飲食店を営む人の多くはすでに実行されている方もいるでしょう。しかしどこまで自分の店について知っているかは企業ごとに異なります。

たとえば焼肉店を営んでいるとして、「自分の店がどのような店か」と問われた際に、「うちは焼肉店で、駅近くなので客足も入りやすいです!」程度の把握になるのか、それとも「当店はアルバイトが10人と社員が2人いて、フロアは2階建ての構造です。1階が主に使用されているけれど人が多いときは2階も開放して切り盛りします。

売り上げの7割が食べ放題のお客さまです。17時から22時がもっとも売り上げの集中する時間帯で、土曜・日曜と、金曜日の17時からが人の出入りがよくあります。競合店も近くにありますが、うちのほうが安く提供できている上、高品質の肉が売りなので、客足はうちのほうが2倍多いです。」などの回答ができるまでおこなうのが望ましいでしょう。

できればそれを店長などのマネージャークラスの人間だけでなく、社員やアルバイトも把握できているとなおよいです。そこまでできれば、一人ひとりがマーケターとして、効率のよい店舗の売上向上に貢献できます。

店舗の分析の鍵は「顧客視点」とおごらないこと

店舗分析に欠かせないのが、「顧客視点」です。また、その顧客視点を取り入れるためにも、決しておごらないことが重要といえます。

「あらゆるデータを確認したい!」
「あたらしい革新的な施策で他社より成功したい!」
という気持ちも理解できますが、新規店舗でとれるデータには限りがありますし、そのデータだけで結論を出すのは早計です。せっかく店舗分析を新規にスタートするならば、自社にあるデータだけでなく、多くの店舗・お客さまに還元できる形でソリューション導入を進めましょう。

店舗分析は、1日などの短いスパンで効果が現れるわけではありません。自社だけでやろうとせず、小売店舗目線や消費者への理解があり、長くお付き合いできそうなベンダーを選ぶことも、プロジェクトをスムーズに進めるために重要なことです。

店舗分析の考え方を現場レベルまで浸透させることも大切です。アルバイトの人にまでわかってもらうことを目指しましょう。そして「お客さまへどのようによりよい体験を与えられるか」を現場・本社関係なく対話し、試行錯誤して改善し続けるためのデータ・サービスであると考えてください。

どのような分析方法を選ぶかで、あなたの企業がどれだけ「顧客視点」なのかが試されています。

参考:顧客分析とは? 目的・主要な3つの分析手法・集客UPに活かす方法を解説

ここからは具体的な分析手法を二つ紹介します。

クロス集計による店舗分析

店舗分析でよく挙がる基本的な手法で、2つ以上の質問項目を掛け合わせて分析する手法です。

たとえば、「この商品を使いたいと思いますか? 」という質問に対し、「はい」と答えた人が55%、「いいえ」と答えた人が40%、「どちらでもない」と答えた人が5%だったとします。

この場合、全体的な割合はわかっても女性が買っているのか、若い人が買っているのかなど、どのような人が商品を使ってみたいのかはわかりません。小売業で適切なマーケティング戦略を打つには、具体的にどのような属性の方が商品を使いたいのかを知る必要があります。

クロス集計では、性別や年齢だけでなく、来店頻度や満足度なども集計することが可能です。需要のある性別や年齢を正確に把握することで、その属性に特化した販促ができます。アンケートで調査した結果をわかりやすく可視化できるのも大きなメリットでしょう。

クロス集計は、データさえそろっていればエクセルで表をかんたんに作成できます。特殊なツールが必要ないため、すぐに実践できるでしょう。グラフ化もしやすいメリットがありますが、データが大きくなるとコストが掛かりすぎてしまうのがデメリットです。どこかで妥協する必要が出てきます。

ABC分析による店舗分析

ABC分析は自社店舗の商品を売り上げなどの基準ごとにA、B、Cと三段階にランク付けする分析方法です。

具体的には、

  • Aグループ:売上高80%を占める “売れ筋” の商品
  • Bグループ:売上高80%~95%の “まあまあ売れる”商品
  • Cグループ:売上高95%~100%の “死に筋” 商品

上記のようなグループに分け、主にAグループに入った商品のみに注力して広告の宣伝をしたり、売り場を大きく取ったりします。

またこの売上データを分析してみると、「取扱商品のうち、ごく一握りの売れ筋商品のみが売り上げの80%を稼ぎ出していた」例もあります。分析の注意点ですが、売り上げの大きい商品が必ずしも多くの利益を出しているとは限りません。

企業によっては売り上げではなく利益を基準にして分析をおこないましょう。商品の売れ行きは感覚的に理解しているつもりでも、実際の数値は実感と異なることがあります。

ABC分析はエクセルやスプレッドシートでかんたんに始められるのがメリットです。アルバイトの方にお任せできるのであれば、人件費や労力の観点から見ても取り入れたい分析といえるでしょう。

店舗分析の流れ

店舗分析は、

  • 目的の確認
  • 仮説の提唱
  • 分析手法を選ぶ
  • データ収集
  • 分析
  • 課題・改善点の明確化

という流れでおこないます。順に見ていきましょう。

目的の確認

最初に店舗分析の目的を確認します。客単価を上げたいのか、客数を増やしたいのか、購買率を上げたいのかなど、分析をした結果どうなりたいのかを明確にしましょう。

目的を明確にすることによって、店舗分析自体が目的になることを防ぎ、目的に沿った質の高い分析をスムーズにおこなえます。

仮説の提唱

目的を明確化してすぐに店舗分析を開始するわけではありません。データを収集・分析する前に、まず現時点で考えられる仮説を提唱します。

「この商品とあの商品は一緒に買われやすい」
「天候によって客数が変わるのかもしれない」
など、現在の問題点などを考えられるだけ並べましょう。

仮説を並べておくことにより、分析する際にどのような視点でデータを分析していくのかわかりやすくなり、分析をスムーズに進める手助けとなります。自分の感覚ばかりを頼りにせず、しっかりと仮説を提唱することがポイントです。

分析手法を選ぶ

仮説を並べられたら、どの分析手法を用いて分析していくのかを決定します。分析手法によって使用するデータの種類や量が変わってくるため、データの収集や分析をおこなう前に必ず決めておかなければいけません。

業種や持っているデータの種類、量、目的から考慮して選びましょう。

データの収集

分析に使用するデータを収集します。分析をスムーズかつ正確におこなうためには、必要なデータが十分にあることが前提となります。

「データが足りなくて分析できない」といったことにならないように、普段からこまめにデータ収集をおこなっておくとよいでしょう。

分析

収集したデータをもとに分析していきます。おごらずに、顧客視点で慎重に分析していきます。精度を高めるためにも、思い込みや個人の感情などはすべて取り払いましょう。

提唱した仮説を参考にし、大きな傾向をつかみながら、現状の問題点を洗い出していきます。

課題・改善点の明確化

分析が完了したら、実践につなげるために、現状の課題や改善点を明確化していきます。課題や改善点の明確化が十分におこなわれていない場合、分析したことを経営に役立てられません。

経営に役立てられなければ目的が達成できないため、分析した意味がなくなってしまいます。課題・改善点はしっかりと明確化し、経営に応用しましょう。

店舗分析を上手くおこなうためのポイント

店舗分析を効果的に進めるには、明確な目的の設定や適切な分析手法の選択、スタッフへの情報共有、継続的な分析がそれぞれ重要です。

これらのポイントをおさえることで、実践的な改善策を導き出しやすくなり、店舗の成長や競争力強化につなげられます。

目的に沿った分析方法を選ぶ

店舗分析を成功させるには、最初に「何のために分析をおこなうのか」という目的を明確にすることが重要です。売り上げの向上や新規顧客の獲得、リピート率の改善、在庫管理の最適化など、目指すゴールによって必要なデータや分析手法が異なります。

目的にあわせて、適切なアプローチを選ぶことで、効率よく成果につなげられるでしょう。目的から逆算して分析を設計することが、無駄なく精度の高い店舗分析を実現する第一歩です。

分析結果を従業員と共有する

店舗分析の成果を最大限に活かすには、分析結果を店舗スタッフ全員に共有し、共通認識をもつことが大切です。具体的な数値や改善点、今後の施策方針などをわかりやすく伝えることで、スタッフ一人ひとりが自分ごととして業務改善に取り組みやすくなるでしょう。

また、現場からの意見やアイデアも積極的に取り入れることで、より実用的かつ現場の課題にマッチした改善策がうまれる可能性も高まります。分析結果の共有は、チーム力の強化やモチベーションアップにもつながるでしょう。

分析を継続しておこなう

店舗分析は、一度だけおこなえばよいものではありません。市場環境や顧客ニーズは常に変わるため、定期的かつ継続的な分析が必要です。分析を繰り返すことで、過去の施策の効果やあらたな課題を早期に把握し、素早く対応策を講じられます。

継続してデータを蓄積することで、長期的な傾向や成功パターンが見えやすくなり、戦略的な店舗運営の基盤となります。定期的な店舗分析は、競争力維持や持続的な成長のために欠かせない取り組みです。

店舗分析を怠らず、適切なマーケティングを打ち出そう

このように、店舗分析は店舗を所持する形で営業している会社の経営を存続させるのに不可欠です。会社が順調に成長しているときこそ怠りがちですが、店舗分析は長い目でおこなわなければなりません成長が落ち込んだときに取り入れても手遅れといえます。常日ごろから店舗分析を怠らないようにしましょう。

また会社が大きくなってきたら、代表取締役社長や役員だけでなく企業のマーケティング担当や現場の人間も極力同じことができるように、店舗分析の重要性を社内に広めることも大切なことです。これが正しく施行され、PDCAを回せれば、適切なマーケティング戦略を打ち続けられるでしょう。

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