株式会社ワコールは京都府に本社を構える総合下着メーカーです。インナーウェア、アウターウェア、スポーツウェアなどの製造や販売を主な事業としており、幅広い世代に向けた商品やブランドを展開しています。近年は多様化するお客さまのニーズに応えるため、店頭でのデジタル技術を活用した接客サービスにも取り組んでいます。3Dボディスキャナーによる計測と接客AIを組み合わせた接客サービス「3D smart&try」や、アバターを活用したカウンセリングサービス「Ava.COUNSELING パルレ」などを開始。また自社ネットショップでのオンライン接客もスタートしています。店頭のビューティアドバイザー(以下、BA)による接客も大切にしながらお客さまとより「深く、広く、長く」つながる活動をおこなっています。
今回は2020年から導入した STORES 予約での「来店予約」について詳しくお伺いしました。
株式会社ワコール(以下、ワコール)は百貨店・量販店・直営店を中心に店舗を展開しています。主に百貨店を中心とした一部の店舗ではもともと別の予約システムを使って「来店予約」を取り入れていたのですが、少人数で複数店舗の予約ページを管理するにはやや使いづらく、なおかつ店舗画像・ギャラリー・レビュー機能なども備えた、お客さまが見やすく使いやすいページに改善したいと考え2020年1月にオンライン予約システムの見直しに取りかかりました。
新しい予約システムを導入するにあたって重視したポイントは、「少人数でも管理がしやすい」「お客さまに対して魅力的なページがつくりやすい」「お客さまの情報を高いセキュリティで守れる」の3つでした。特に、下着やからだのお悩みはセンシティブな部分でもあるため、セキュリティのレベルに関しては重視していたのです。社内の関係部署もまきこんで、この3つをクリアできるツールを探している中で、「STORES 予約」の名前が挙かり、検討をはじめました。
そこからアポイントを取り、担当の方とお話をしました。導入にあたっての譲れないポイントとして「IP制限機能」がありましたね。どのPCで、誰が予約の管理ページにログインしているのかというところです。当時 STORES 予約 はそういった機能がなかったんです。それ以外のセキュリティレベルは高い水準だったので、当時の担当の方に、なんとかIP制限機能だけ開発してくれないかと依頼をしたのです。すると「なんとかします」というお返事を早くにいただけたのと、具体的に「これぐらいの時期であれば対応できると思う」と言っていただけたので、それならばというところで STORES 予約 にお願いすることに決めましたね。
導入までには6〜7社くらいで検討をしていたのですが、上記含め総合的に判断して STORES 予約 を導入することになりました。
STORES 予約 の「事前アンケート」を利用するようになってから、お客さまの来店目的が把握できるようになりました。例えば、サイズだけ測りに来られたのか、購入目的でいらっしゃったのか、それとも体型が変わったから確認しておきたいのか、というところです。BAにお客さまの来店目的などを事前にしっかり共有することで、来店されたお客さまにもスムーズにご案内ができます。
また、来店予約をはじめてから、店舗のBAから「お客さまの来店に対する期待度が上がっている気がする」と聞くようになりました。こういったこともふまえて、「事前アンケート」から分かるお客さまのご年齢などを確認し「このお客さまには、こんな商品をご提案しよう」と事前に準備ができるようになりました。限られた接客時間の中で、ご案内できる幅やレパートリーが増えたとBAも喜んでいます。
さらに、事前アンケートの自由記述欄にも関わらず、コメントをしっかり書いてくださる方が多いのです。「これまで自分の正しいサイズを知らなかった」「人に測定されるのはちょっと怖い」というところや、自分の体にかける「想い」や、こういった理由で来店予約をしたということを書いてくれる方もいます。面と向き合っては言いづらいことや、ご自身のお体に対するお悩みなども、ウェブ上の「アンケート」という形だと、みなさんの本当に相談したいことが書きやすいのかもしれない、ということに気づけましたね。
予約システムを導入することで、お客さまからレビューもいただけるようになりました。とくに多かったのが「BAの接客に対するお褒めの言葉」です。やはり店頭に立つ者にとっては嬉しいもので、接客を担当したBAのモチベーションアップに繋がったところもありましたね。(※2021年2月現在、レビュー機能はクローズ中)
これまでだと「お電話」でお褒めのお言葉いただくことはあったのですが、「レビューを書く」という方がお客さまもしやすいのかもしれませんね。こういった形でお客さまの声が見られて、BAにとっては非常に嬉しかったと思います。
事前アンケート機能はもちろん、チャットでの質問機能も大いに活用しています!いつでも誰でも質問があればチャットで聞くことができますし、レスポンスもはやくて助かっています。あと、予約ページの複製ができるところも便利ですね。同じ内容のイベントを他の店舗で実施する際に、既存の予約ページを複製して店舗名だけ変更すればすぐにページができます。こうすることで少人数で複数店舗の管理していても、予約ページの作成が効率よくできます。慣れればさらに時間も短くなるので、ありがたいなと思いますね。
来店予約をもっと利用いただくために、オンライン上での周知には力を入れています。公式のオンラインページでのご案内はもちろん、イベントの場合は専用ページにも「事前予約する」というボタンを設けて、STORES 予約のページに遷移するようにしています。また、自社アプリでのプッシュ通知も活用していますよ。さらに店頭でも積極的にご案内をしています。特にコロナ禍では、わざわざお店にお越しいただいたお客さまをお待たせすることがないように「次回はご予約をいただけたら、お待ちいただくことなくすぐご案内ができます」とお伝えするようにしています。
ワコールは「世の女性を美しく」という思いで、世の女性たちに寄り添い、一人一人の自分にとっての美しさ、そのぴったりを見つけてもらうために商品やサービスを提供しています。
そしてお客さまにワコールのファンになっていただくには、「ワコールをいかに身近に感じていただけるか」がとても大切だと感じています。婦人肌着売り場は敷居が高い場所と思われる方もいらっしゃると思うのですが、お客さまのご要望にあったスタイルで下着選びを楽しんでいただけるよう、デジタル技術を使った接客サービスやオンライン接客、イベントなどを通して「手軽に利用できる場」を提供していきます。ここで間違いなく STORES 予約 が提供している予約システムなどウェブ上での完結するツールは必要になってきます。こういったツールも駆使しながら、またデジタル軸だけではなく、店頭にいるBAによる接客も大切にしていきながら「深く、広く、長く」お客さまに身近な存在としてご利用いただけるメーカーであるために、引き続き取り組みを続けていきたいです。
STORES 予約 を使ってみて良いなと思ったのは、「お客さまの声がデータとして残っていく」ということです。これまで聞こえなかった声が可視化できるというのはすごく良い仕組みだと思っています。私たち本部側の者はお客さまの声を直接聞くことが難しく、BAを通して聞くしか方法がありませんでした。これまでは販売実績とBAの声からしかわからなかったお客さまの声が、アンケートやレビューで確認できるようになり、「どんなお客さまが、どんな頻度でいらっしゃったのか」というところも STORES 予約 を使えば知ることができます。それがデータとして残って可視化できるのはこれからの時代必須で、「こんなお客さまが利用されているから、こんな商品開発に繋げてみよう」「こういったプロモーションをやってみよう」など、次の一手を考えるときの定性情報として間違いなく必要だと思います。